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国立がん研究センター 東病院

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荘内病院×国立がん研究センター東病院 医療連載「つながる医療 がん治最前線」第2回 がんと新型コロナウイルス感染症

2021年6月26日
国立がん研究センター東病院 総合内科 医長 冲中 敬二

がんと新型コロナウイルス感染症の重症化リスク

「新型コロナウイルス感染症にかかってしまったら重症化してしまうのでは」と心配されているがん患者さんも多いと思います。実際、米国疾病予防管理センター(CDC)のサイトでは、“新型コロナウイルス感染症の重症化と関連する基礎疾患”としてがんが最初に記載されています。しかし、すべてのがん患者さんに同じようなリスクがあるわけではありません。英国の1700万人以上のデータを用いた検討では、発症から5年を経過した固形がん(血液がん以外のがん)患者さんでは、がんのない方と比べて重症化のリスクに変わりのないことが示されています。逆に診断から1年未満の固形がんの患者さんや血液がんの患者さんには1・6―2・5倍程度の重症化のリスクがあります。(固形がんでも肺がんは重症化リスクの高いことが知られています。)がんだけではなく、高齢、肥満、喫煙、糖尿病などその他にもよく知られたリスクがあり、がん以外のリスクを有する方も少なくないと思います。“がんがあるから”というだけで過度に恐れる必要はありません。

日常生活の注意点

感染を予防するためには、ウイルスが体内に入る経路を遮断する必要があります。ウイルスは呼吸をする際に口や鼻から体内に入り込む経路と、手についたウイルスが目や鼻、口などの粘膜を介して体内に入り込む経路があります。前者はマスクで鼻や口を覆いウイルスを吸い込まないことが重要です。また、無症状の感染者もいるので、人混みや換気の悪い場所などには注意が必要です。後者は顔を触る前に手を洗うことが重要です。たとえウイルスに汚染されたものに触れても、その手で目や鼻などの粘膜に触れなければ感染はしないのですが、人は無意識のうちに顔や髪を触ってしまいます。このため外出先ではこまめな手洗いが重要となります。手洗いは流水・石鹸でもアルコール消毒剤のいずれでもよいですが、時間をかけて丁寧に洗いましょう。

ワクチンについて

がん患者さんには新型コロナワクチンの接種が推奨されます。がん患者さんに特有の副反応の存在は現時点では明らかになっていません。健康な人と比べるとワクチンの効果が落ちる可能性が懸念されていますので、接種後もマスクや手洗いなどの感染予防対策は引き続き必要です。現在がん治療中の方や血小板が少ない方、血が止まりにくい方、臨床試験へ参加されている方などは接種の時期について担当医と相談が必要です。新型コロナウイルス感染症以外にもワクチンで予防できる感染症があります。肺炎球菌や帯状疱疹、毎年秋のインフルエンザなどの予防接種もお勧めします。

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    東病院での新型コロナウイルス感染症ワクチン接種の様子

執筆者

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  • 冲中 敬二(おきなか・けいじ)
  • 兵庫県出身。2000年浜松医科大学卒。静岡がんセンター感染症科等での研修後2011年に国立がん研究センター中央病院造血幹細胞移植科で研修し、同年総合内科へ異動。2015年9月より現職。

新型コロナウイルス感染症への当院の対策について

国立がん研究センター東病院ではホームページ上で新型コロナウイルス感染症に関する情報発信を行っております。詳細は下記をご参照ください。

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