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先端医療開発センター

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主な研究内容

本邦のゲノム医療に適したがん体細胞遺伝子異常の検査法の開発と実施体制の整備

NGS検査体制の整備

ゲノム情報に基づいて治療選択を行う個別化治療を実施するための基盤として、次世代シークエンサー(NGS)を用いて体細胞遺伝子異常を検出する検査法の開発と、院内でその検査を実施する体制の整備を行っています。研究所臨床ゲノム解析部門、バイオインフォマティクス部門と協力し、NGSゲノム検査に用いるオリジナル遺伝子パネル(NCCオンコパネル)の更新と、検査/データ解析/レポート作成のプロトコール改良を進めています。また、本検査を院内臨床検査として行うための体制として、中央病院病理臨床検査科と協力し、国際基準の品質保証検査室(SCI-Lab)をシスメックス社/理研ジェネシス社とともに中央病院内に設置し運用しています。

NGSゲノム検査の中央病院における実施

中央病院先端医療科、病理臨床検査科と協力して、早期臨床試験へのエントリーを検討している患者を対象とした臨床研究として、NCCオンコパネル検査を実施しています。2013年から2014年に登録されたTOP-GEAR第1期試験の追跡調査から、ゲノム異常に適合した治療を受けた症例の予後がその他の治療を受けた症例よりも良いことが示されました(図1)。

図1

図1 TOP-GEAR第1期試験における臨床試験参加者の予後

2015年から2016年には、研究所で解析を行うTOP-GEAR 第1期ex試験において85例が(図2)、上記SCI-Labにて品質保証下で解析を行うTOP-GEAR第2期試験において94 例が検査に供されました。約半数が希少がんで、AYA (15-39歳)世代の患者さんも検査に多く含まれています。今後、次世代シークエンサーを用いた遺伝子検査を普及し、これらの患者さんを含めた多くの患者さんの治療の選択の拡大に役立てることを希望します。

図2

図2 TOP-GEAR第1期ex試験において解析した85症例のがん種の分布と同定された遺伝子異常

TOP-GEAR第2期試験では、患者の希望により、体細胞遺伝子変異と生殖細胞系列変異に関する解析結果の開示を行うこととし、それぞれの同意率は約95%, 90%でした。治療選択に有用な遺伝子異常(actionable 変異)が64症例(68%)で見つかり、遺伝子変異プロファイリング検査としての有用性が示されています。そこで、本結果を基盤として、シスメックス社とともに当該検査を厚生労働省の先駆け審査指定制度の中で、保険収載に向けた準備を進めています。