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国立がん研究センター 東病院

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縦隔腫瘍について

縦隔(じゅうかく)腫瘍とは

縦隔は、胸の中心にある左右の肺の間にある空間で、胸腺、心臓、大血管、食道、気管などの重要な臓器が含まれます。それらの臓器に由来してできる腫瘍を「縦隔腫瘍」といいます。
縦隔は、(1)上縦隔、(2)前縦隔、(3)中縦隔、(4)後縦隔の4つの区画に分けられます。

 

縦隔腫瘍は、のう胞性病変などの「良性腫瘍」から、胸腺がんやリンパ腫といった「悪性腫瘍」まで、さまざまな腫瘍があり、それぞれの区画によって発生しやすい腫瘍が異なります。

それぞれの区画ごとにできやすい腫瘍

 (1)上縦隔:甲状腺腫など

 (2)前縦隔:胸腺腫、胸腺がん、胸腺のう胞、奇形腫、胚細胞腫瘍など

 (3)中縦隔:悪性リンパ腫、心膜のう胞、気管支のう胞など

 (4)後縦隔:神経鞘腫など

最も多い縦隔腫瘍は前縦隔に発生しやすい「胸腺腫」です。詳細は下記をご覧ください。

縦隔腫瘍の症状

縦隔腫瘍にともなう症状は、悪性の初期や良性の場合は無症状であることがほとんどです。しかし、良性であっても腫瘍が大きい場合や、悪性腫瘍で周囲への浸潤(しんじゅん)がある場合は、胸の圧迫感、痛み、息苦しさ、咳、声のかすれなどの症状がみられます。

縦隔腫瘍の診断

縦隔腫瘍は、多くの臓器が集まっている部分にできるため、胸部レントゲンでは早期発見が難しく、がんが進行した時点で検診での胸部レントゲンや、小さいサイズの場合はCT検査で偶然みつかる場合が多いです。画像診断では、腫瘍の種類を推測し、ほかの臓器への浸潤を確認するためにPET/CT胸部MRIなどを併用することもあります。また血液検査で腫瘍マーカーを測定することにより、腫瘍の種類が推定できることもあります。画像から推定される腫瘍の種類によっては、組織型を診断するために生検を行うこともあります。

縦隔腫瘍の治療

縦隔腫瘍とは02

 

縦隔腫瘍の治療は、悪性リンパ腫と一部の良性腫瘍を除き、手術による摘出が第一選択となります。
胸腺腫(下記参照)や胸腺がんなどの悪性腫瘍の場合は、開胸での手術が必要となりますが、のう胞性疾患などの良性腫瘍では、胸腔鏡(きょうくうきょう)手術による低侵襲手術(体への負担少ない手術)で行うことが多いです。悪性腫瘍の場合でも、比較的早期の進行度の場合は、胸腔鏡手術を用いる事もあります。また、悪性腫瘍の場合は、進行度や組織型に応じて放射線治療や化学療法などの追加治療が必要となる場合があります。

縦隔腫瘍の手術実績について

 日本胸部外科学会(2013年)の学術調査によると、縦隔腫瘍に対する手術数4780例のうち、胸腺腫や胸腺がんといった胸腺上皮性腫瘍が2230例(47%)と約半数を占めています。
東病院 呼吸器外科での手術実績はこちらをご覧ください。

 

2017年度

2018年度

2019年度

胸腺腫

11

10

11

胸腺がん

4

5

3

奇形腫

1

1

0

のう胞性疾患

8

3

2

悪性リンパ腫

3

0

1

神経原性腫瘍

3

2

1

その他

6

5

5

全数

36

25

23