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国際研究支援室

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インド(Tata Memorial Hospital)の訪問

 

2018年8月29日、インド・ムンバイの保健家族福祉省(MoHFW)管轄の高度専門医療機関であるTata Memorial Hospitalを訪問し、Tata Memorial Hospitalの視察および臨床試験実施環境、インドの薬事・保険制度や今後の国際共同試験に関する連携の可能性についてディスカッションを行いました。

TATA memorial hospitalは、創立75年を超えるインドで最も古い部類になる医療・研究機関で、市内中心部の病院のあるメインキャンパス、郊外に研究所を有するキャンパスと1か所に分かれています。がんの患者のみを扱うがんセンターであり、40%はムンバイ並びにマハアシュトラ州(ムンバイのある州)の患者、60%はインド全国から患者が来院される、インドの保健家族福祉省(MoHFW)管轄の高度専門医療機関です。また、National Grid of India(日本でいうJCOG:日本臨床腫瘍研究グループ)127施設の中心を担う機関でもあります。病院の診療規模としては約600床、外来は一日約2,000-3,000人、手術室は25室で稼働していると説明を受けました。

研究支援部門は、約40名程度(製薬企業歴30年(前職は外資系製薬企業に10年)のスタッフがリーダーであり、モニタリング、データマネージャー、プロジェクトマネージャー、生物統計2名、CRCは20名)が働いており、企業治験、医師主導臨床試験を支援されています。このほかに研究費で雇用されている診療科付きのCRCもいるとのことでした。人材雇用はやはり日本と同様に難渋しているので卒業後の早い人材を雇用して教育する形式で進めていることなどをお聞きしました。

企業治験や医師主導試験ともに経験はあり、治験(医師主導・企業主導)や臨床研究の審査については、IRBが月1回開催され、IRBも3つのチームがあり案件をこなす形式で、提出後翌月の審議となりほぼ1-3か月で承認に至っているとのことでした。臨床試験に関する文書は基本的に英語、規制当局への提出文書も全て英語であり、現地語が必要なのは、IC文書のみと説明を受けました。セントラルIRBの制度は今のところないようです。また、副作用治療と補償については、臨床試験(医師主導・企業主導を問わず)、副作用の治療費用をスポンサー(研究代表者)側が負担、補償も計算式に基づいて実施されると説明を受けました。副作用報告に関しては、すべてのSAEをIRB報告、規制当局にINDを提出している試験の場合は規制当局へのSUSAR報告要とのことで、これはICH準拠した手続きとなっていました。

臨床試験実施体制は整備されている印象を受けました。


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ディスカッションをおこなったTata Memorial Hospitalの医師ら

 

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倫理委員会のオフィス



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