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遺伝相談外来

1986年に、遺伝性のがんの原因となる遺伝子として、初めて網膜芽細胞腫の原因遺伝子RB1が発見されました。以後、1995年ごろまでに続々と主な遺伝性のがんの原因遺伝子がみつかって参りました。そのような基礎研究の成果をいち早くがんの臨床に活用するため、当院では、1998年に「遺伝相談外来」を開設し、現在、週2回の外来を行っています。

最近の統計では日本人の2人に1人ががんになる時代です。誰もががんに罹る可能性を持っていますが、その程度は人によって少しずつ異なり、なりやすいがんの種類も異なると考えられます。

遺伝相談外来の目的

第1の目的

遺伝相談外来の第1の目的は、遺伝性のがんに関するさまざまな心配や不安をお持ちの方が相談できる場所を提供することです。例えば、ご家族にがんが多いことや若くしてがんを発症されたこと等を理由に、遺伝性のがんを心配されてお越しになる方がいらっしゃいます。ご自身ががんに罹ったことのある方だけでなく、がんに罹ったことのない血縁者やご家族の方にも受診いただいております。まずは気軽にご相談ください。

第2の目的

遺伝相談外来の第2の目的は、遺伝子検査をはじめとするリスク評価です。遺伝子検査の受検にあたっては、ご本人やご家族の十分なご理解・ご希望があることが大前提ですが、受検のご希望があっても遺伝子検査を積極的にお勧めしない場合もあります。その判断のために、外来ではまず、ご家族がどのようながんに、何歳ごろ罹っておられるか(いわゆる「がんの家族歴」)を詳しくおたずねします。通常、父方と母方両家系について、祖父母、いとこ、孫の代の範囲まで、わかる範囲でお伺いしています。それらの情報をもとに、遺伝子検査を受けるかどうか、受けた後にどのような対応をしていくか、について話し合います。

第3の目的

遺伝相談外来の第3の目的は、家族歴や遺伝子検査の結果に基づき、その疾患に特徴的ながん種、発症時期を踏まえた、がんの早期発見・早期治療を目指します。がんの早期発見を目指した検査の種類や頻度は各臓器がんの専門家と相談・協力の上、方針を決めていきます。


遺伝外来 図

遺伝相談外来 

<これまでに遺伝相談外来を受診した方の疾患内訳>

遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)、リンチ症候群、家族性大腸腺腫症(FAP)、網膜芽細胞腫、リー・フラウメニ症候群、多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1)、多発性内分泌腫瘍症2型(MEN2)、神経線維腫症1型(NF1)、神経線維腫症2型(NF2)、ポイツ・ジェガース症候群、若年性ポリポーシス、カウデン症候群、フォン・ヒッペルリンドウ病(VHL)、遺伝性パラガングリオーマ・褐色細胞腫症候群、遺伝性膵がん、遺伝性乳頭状腎細胞がん、遺伝性びまん性胃癌、結節性硬化症など

(最終更新:2023年5月)

 

受診のご案内

外来診察日

毎週火曜日午後・木曜日終日(初診は午後中心)

受診予約方法

初診予約のご案内をご覧ください。ファクス予約は不要です。

注:ご予約に際し医師がお電話で直接、簡単にお話をお伺いする場合があります。(電話相談ではありません)

料金

相談のみの受診料は通常の保険診療となります。遺伝子検査は、原則採血で行われ、検査の種類によって保険診療、先進医療、自費診療などの料金が適用されます。ご提案する遺伝学的検査の種類は、ご家族歴や状況に合わせてお一人おひとり異なりますので、遺伝相談外来でご説明いたします。(お電話でのお問い合わせは承っておりません)

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