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FOLFIRI(フォルフィリ)療法

FOLFIRI(フォルフィリ)療法は、“フルオロウラシル”と“レボホリナート”を組み合わせた治療に、“イリノテカン”を同時併用する治療であり、切除不能・進行再発大腸がんの標準治療のひとつです。

使用する抗がん剤

イリノテカン注

イリノテカンは、植物(喜樹:中国原産)由来の抗がん剤です。がん細胞の分裂に必要な酵素の働きを抑えることでがん細胞の増殖を抑え、腫瘍を小さくする作用を持つ薬です。90分かけて点滴します。
イリノテカンは排便中に排泄されるお薬のため、イリノテカンを点滴した翌日、翌々日には便秘をしないように心がけましょう。便秘気味の方は、イリノテカンを点滴した夜に下剤を内服しておくのもよいでしょう。

レボホリナート注

レボホリナートはビタミンの一種です。この薬自身に抗がん作用はありませんが、後から投与するフルオロウラシルの働きを高める作用があるため組み合わせて使います。120分かけて点滴します。

フルオロウラシル注

フルオロウラシルは、がん細胞の増殖に必要なDNA合成を阻害し、RNAの機能を障害することで、がん細胞の成長を抑えたり、腫瘍を縮小する作用を持つくすりです。

FOLFIRI(フォルフィリ)療法の副作用

骨髄抑制(白血球減少、血小板減少)

白血球は、病原菌から身体を守る(感染を防ぐ)働きを持った血液成分の1つです。また血小板は出血時に血液を固める作用を持った血液成分です。一般的に注射をしてから7から10日目に白血球の数が少なくなり、通常次の治療が始まるまでに回復するといわれています。白血球が減少すると細菌に対する防御能が低下し、発熱や感染を起こす可能性があります。このような場合には白血球の数を増やす薬を使ったり、治療をお休みしたりします。またこういった時期には予防策が大切です。

吐き気・嘔吐

このFOLFIRI療法では、吐き気や嘔吐、食欲不振などの消化器症状が、約4から5割の方にみられます。そのため、最初に吐き気止めを点滴し、予防します。 治療当日に現れる急性のものと、治療後2から7日目に現れる遅発性のものとがあります。

下 痢

下痢は約6割弱の方にみられます。あなたの普段の便通の状態を把握しておくことが大切です。

口内炎

口内炎は約4から5割の方にみられます。

脱 毛

治療後2から3週間過ぎたころから髪の毛が抜け始めます。朝起きたときに枕についた髪の毛の量や、洗髪したときに抜ける髪の量の変化で気づくことが多いようです。

皮膚や爪への影響

治療後数週間してから手のひらや足うらに痛みを感じたり、皮膚にしみができたり、爪が黒くなることがあります。外出の際は直射日光を避けるため帽子をかぶると良いでしょう。

味覚への影響

この治療によって、味覚が鈍くなることがあります。抗がん剤による口の中の細胞障害が原因の一つと考えられています。治療を休むと1から2週間で回復するといわれています。普段食べ慣れている味に違和感がある場合は、ご家族に協力してもらいながら味付けを工夫するなどしてみましょう。

手足症候群(Hand-foot syndrome)

治療後数週間過ぎたころから、手のひらや足のうらの皮膚が赤くなったりヒリヒリ・チクチクした感じ、知覚過敏、ほてりや腫れといった症状がみられることがあります。このような場合には、保湿剤やステロイドの入った軟膏剤を塗ったり、次の治療までの期間を延長したり、がん剤の量を減らしたりする場合もあります。手足の皮膚に気になる症状がありましたら担当医に相談してください。

間質性肺炎

ごくまれな副作用として、間質性肺炎と呼ばれる、肺の炎症による呼吸器系障害が起きることがあります。代表的な症状としては、痰を伴わない空咳、息切れ、発熱などです。かぜに似たような症状があらわれますので、自分で判断しないですぐに担当医に連絡してください。
 
その他、気になる症状がありましたら、医療スタッフにご相談ください。

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