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FP-rad療法

FP-rad療法は、“フルオロウラシル”と“シスプラチン”を併用する化学療法に放射線療法を組み合わせる治療法です。

使用する抗がん剤

フルオロウラシル注

フルオロウラシルは、がん細胞の増殖に必要なDNA合成を阻害し、RNAの機能を障害することで、がん細胞の成長を抑えたり、腫瘍を縮小する作用を持つくすりです。

シスプラチン注

シスプラチン注はプラチナ(白金)系の抗がん剤です。細胞のDNAと結合することでDNAのゆがみを作り出し、がん細胞の増殖を抑え、腫瘍を小さくする作用を持つくすりです。

FP-rad療法の副作用

骨髄抑制(白血球減少、血小板減少)

白血球は、病原菌から身体を守る(感染を防ぐ)働きを持った血液成分の1つです。また血小板は出血時に血液を固める作用を持った血液成分です。一般的に注射をしてから7から10日目に白血球の数が少なくなり、通常次の治療が始まるまでに回復するといわれています。白血球が減少すると細菌に対する防御能が低下し、発熱や感染を起こす可能性があります。このような場合には白血球の数を増やす薬を使ったり、治療をお休みしたりします。またこういった時期には手洗いうがいなどの予防策が大切です。

吐き気・嘔吐

このFP-rad療法では、8割程度の患者さんで“ムカムカ”したり食欲がなくなったりします。予防的に吐き気止めのくすり(プロイメンド®注、アロキシ®注、デキサメタゾン注)を一緒に点滴します。吐き気には、治療当日(24時間以内)に現れる急性のものと、治療後2から7日目に現れる遅延性のものとがあります。

下痢

2割程度の患者さんで、下痢がみられます。点適後、1週間くらいに起こることが多いとされています。あなたの普段の便通の状態を把握しておくことが大切です。

口内炎

3割程度の患者さんで口の中の粘膜や舌が荒れて痛みが出ることがあります。痛みがひどい場合は痛み止めを使います。

腎障害

抗がん剤のシスプラチンが腎臓を通り、体から出て行くときに腎臓に負担をかけ、治療のあとに腎臓の機能が悪化する可能性があります。腎臓を保護するために、水分の点滴を行い、利尿剤(尿を出やすくするくすり)を使ってシスプラチンを体外へ追い出していきます。利尿剤は尿の出具合や体重の変化を見て使用します。一時的に血液検査でわかる程度の腎臓機能の変化が2割くらいの方に見られますが、このような工夫をしながら治療を行いますので、ほとんどの場合元に戻ります。

放射線による副作用

放射線治療に関しては、放射線科の医師、看護師から詳しい説明があります。放射線照射による副作用には以下のようなものがあります。

  • 食道炎
  • 皮膚炎
  • 心嚢炎
  • 肺臓炎

食道炎には痛み止めのくすりを使います。

その他、気になる症状がありましたら、医療スタッフにご相談ください。

 

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