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mFOLFOX6(フォルフォックス)療法

胃がんにおけるmFOLFOX6(フォルフォックス)療法は、フルオロウラシルとレボホリナートを組み合わせた治療に、オキサリプラチンを同時併用する治療です。

使用する抗がん剤

オキサリプラチン注

オキサリプラチンは、日本で開発されたプラチナ(白金)系の抗がん剤です。がん細胞のDNAと結合することで、DNAの歪みをつくり出し、がん細胞の増殖を抑え、腫瘍を小さくする作用を持つくすりです。
2時間かけて点滴します。

レボホリナート注

レボホリナートはビタミンの一種です。この薬自身に抗がん作用はありませんが、後から投与するフルオロウラシルの働きを高める作用があるため組み合わせて使います。2時間かけて点滴します。

フルオロウラシル注

フルオロウラシルは、がん細胞の増殖に必要なDNA合成を阻害し、RNAの機能を障害することで、がん細胞の成長を抑えたり、腫瘍を縮小する作用を持つくすりです。

mFOLFOX6療法による副作用

末梢神経症状

約9割の方にみられ、冷たいものに触れたり飲食することで手足や口の周囲のしびれや痛みを感じたりします。投与直後から1から2日以内に手足や口の周り、のどに症状がみられ、2週間のうちには回復するとされています。しかし、治療を繰り返すうちにこういった症状が2週間以上持続する場合もあります。このような持続的なしびれや痛みのために「ボタンをかけにくい」、「しびれて歩きにくい」など影響が出る場合があります。こういった場合には、しびれの原因となるお薬の量を減らしたり、治療の間隔を延長したり、治療を中止するといった対応をとる場合があります。

骨髄抑制(白血球減少、血小板減少)

白血球は、病原菌から身体を守る(感染を防ぐ)働きを持った血液成分の1つです。また血小板は出血時に血液を固める作用を持った血液成分です。一般的に注射をしてから7から10日目に白血球の数が少なくなり、通常次の治療が始まるまでに回復するといわれています。白血球が減少すると細菌に対する防御能が低下し、発熱や感染を起こす可能性があります。このような場合には白血球の数を増やす薬を使ったり、治療をお休みしたりします。またこういった時期には手洗いうがいなどの予防策が大切です。

吐き気・嘔吐

このmFOLFOX6療法では、吐き気や嘔吐、食欲不振などの消化器症状が、約4から6割の方にみられます。そのため、最初に吐き気止めを点滴し、予防します。治療当日に現れる急性のものと、治療後2から7日目に現れる遅発性のものとがあります。

下痢

下痢は約5割弱の方にみられますが、症状は軽いことが多いです。

口内炎

口内炎は約4割の方にみられ点滴後10から20日間後に起こることが多いとされています。

味覚への影響

味覚の異常は約1割程度の方にみられ、症状としては味覚が鈍くなるようです。詳しい原因はわかっていませんが、抗がん剤による口の中の細胞障害などが考えられます。治療を休むと1から2週間で回復するといわれています。普段食べ慣れている味に違和感が出現した場合は、担当医に相談してください。

皮膚や爪への影響

治療後数週間してから手のひらや足うらにしびれや痛みを生じたり、皮膚にしみができたり、爪が黒くなることがあります。外出の際は直射日光を避けるため帽子をかぶると良いでしょう。

手足症候群(Hand-foot syndrome)

治療後数週間過ぎたころから、手のひらや足の底の皮膚が赤くなったり、ヒリヒリ・チクチクした感じ、知覚過敏、ほてりや腫れといった症状がみられることがあります。このような場合には、保湿剤やステロイドの入った軟膏剤を塗ったり、次の治療までの期間を延長したり、抗がん剤の量を減らしたりする場合もあります。手足の皮膚に気になる症状がありましたら担当医に相談してください。

脱毛

治療後2から3週間過ぎたころから髪の毛が抜け始めます。朝起きたときに枕についた髪の毛の量や、洗髪したときに抜ける髪の量の変化で気づくことが多いようです。頭髪の量が気になる場合には、カツラをご検討いただくこともありますが、他の抗がん剤治療に比べて頻度は低いといわれています。

間質性肺炎

ごくまれな副作用として、間質性肺炎と呼ばれる、肺の炎症による呼吸器系障害が起きることがあります。代表的な症状としては、痰を伴わない空咳、息切れ、発熱などです。かぜに似たような症状があらわれますので、自分で判断しないですぐに担当医に連絡してください。

 

その他、気になる症状がありましたら、医療スタッフにご相談ください。

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