トップページ > 共通部門のご案内 > 薬剤部 > 薬剤師のみなさまへ > 後発医薬品について > バイオ後続品 (バイオシミラー) についてQ&A

バイオ後続品 (バイオシミラー) についてQ&A

国立がん研究センター中央病院 薬剤部

2020年6月更新

 

Q1 「バイオ医薬品」とは?

A1 「バイオ医薬品」とは、遺伝子組換え技術などにより細胞、酵母、細菌などから産生されるタンパク質由来の医薬品のことです。抗体製剤の分子標的治療薬 (抗がん剤など) やインスリン製剤など、多くの医薬品が該当します。

 

Q2 「バイオ後続品バイオシミラー」とは?

A2 「バイオ後続品 (バイオシミラー)」とは、先行バイオ医薬品の特許が切れた後に、他の製薬企業から発売されるバイオ医薬品の後発薬です。

 

Q3 「バイオ後続品バイオシミラー」と「後発医薬品ジェネリック医薬品」は違うのですか?

A3 「後発医薬品 (ジェネリック医薬品)」は分子サイズが小さく、化学合成によって先行品と完全に同一である製品を製造することが可能です。一方、バイオ医薬品は、分子サイズが大きく、構造が複雑なため、製造業者が異なることによる製造工程の違いの影響をうけやすく、先行品と完全な同一品を製造することは困難です。そのため、「バイオ後続品 (バイオシミラー)」は、先行バイオ医薬品との同等性 / 同質性を証明するために、新薬に準ずる様々な試験(品質試験、薬理試験、毒性試験、臨床試験など)が必要とされます。様々な試験の結果、先行バイオ医薬品と品質、効き目や安全性が「同等」であることが検証された医薬品が「バイオ後続品 (バイオシミラー)」です。

 

Q4 「バイオ後続品バイオシミラー」の効き目や安全性は?

A4 「バイオ後続品 (バイオシミラー)」は、効き目や安全性が実証されてきた先行医薬品と「同等」であることを、患者さんを対象とした臨床試験によって確認がされた上で、製造・販売が承認されています。市販後の安全性管理も先行品と同様に行われており、安全性の確保が図られています。

 

Q5 「バイオ後続品バイオシミラー」も「後発医薬品ジェネリック医薬品」と同じようにお薬の価格が安くなるのですか?

A5 先行バイオ医薬品の約7割程度の価格 (下記参照) になるため、患者さんの経済的負担や医療費の軽減が期待されます。

 

 参照:平成31年3月29日 厚生労働省保険局長通知 保発0329第1号より

 

Q6 日本で販売されている「バイオ後続品バイオシミラー」にはどのようなお薬がありますか?

A6 フィルグラスチムBS注 (先行医薬品名:グラン注)、インスリン グラルギンBS注(先行医薬品名:ランタス注)、リツキシマブBS注 (先行医薬品名:リツキサン注)、トラスツズマブBS注 (先行医薬品名:ハーセプチン注)、ベマシズマブBS注 (アバスチン注) などがあります。これらの「バイオ後続品 (バイオシミラー)」は欧米やアジア諸国でも使用されています。

 

バイオ後続品 (バイオシミラー) やジェネリック医薬品について、詳しく知りたい場合は医師や薬剤師にお気軽にご相談ください。