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がん関連遺伝子を網羅的に調べる遺伝子検査のご案内

先進医療Bでの遺伝子検査の登録は2018年11月1日をもって終了しました

中央病院では、患者さんのがんに関する遺伝子を1回の検査で網羅的に解析し、抗がん剤の選択に役立てる遺伝子検査を4月9日より先進医療Bで実施します。

この遺伝子検査では、1回の検査でがんに関連するたくさんの遺伝子変異を調べ、抗がん剤の選択に役立てることができます。一方で、遺伝子検査の結果、遺伝子に異常が見つからない場合や、異常が見つかっても治療に使用できる薬剤がない場合もあり、これまでの臨床研究において遺伝子変異に合う薬剤投与ができた患者さんは約10%です。下記をよくお読みの上、主治医等とよくご相談ください。

先進医療(先進医療B)について

「先進医療制度」における「先進医療」とは、効果・安全性などの評価が定まっていない新しい試験的な医療技術のうち、保険適用の対象にするかどうかの判断を下すための有効性・安全性の評価を行う医療技術として厚生労働省が指定したものです。効果・安全性が不明なことから、一部の医療機関でのみ実施が認められています。「先進医療B」では、公的医療保険が適用される医療と、上記のような保険適用の対象外の治療を共に実施すること(混合診療)が例外的に認められます。

がんゲノム医療とは

がんゲノム医療とは、がん患者さんのがんに関連する遺伝子変異に応じた抗がん剤で治療を行うものです。これまでのがん種ごとの治療方法に加え、遺伝子変異ごとに治療方法を検討します。

遺伝子解析技術の進歩により、がんの原因となる様々な遺伝子変異が相次いで発見されてきました。遺伝子変異を有する一部のがんには、対応する分子標的薬の治療効果が非常に高いことも分かり、乳がんにおけるHER-2遺伝子増幅、非小細胞肺がんにおけるEGFR 変異、ALK融合遺伝子や悪性黒色腫におけるBRAF変異では、対応する分子標的薬による治療が既に保険診療で行われています。これらの遺伝子変異を調べる検査は、1回の検査で1個の遺伝子変異を調べるものです。

一方、近年、遺伝子の塩基配列を高速に読み出せる次世代シークエンサーの開発により、治療対象になる多数の遺伝子変異を網羅的に短時間で検出することが可能になりました。また、がん種が異なっても(原発部位・臓器が異なっていても)同じ遺伝子に変異がある場合や、同じ分子標的薬が有効な場合もあることが分かってきました。このような背景から、特に標準治療がないがんや標準治療の効果がなくなった患者さんについて、がんの遺伝子を網羅的に調べ、個々の患者さんのがん組織の遺伝子変異に合った薬剤を選択する治療が望まれていました。

この、患者さんのがん組織の遺伝子変異に適した治療を行うがんのゲノム医療は、第3期がん対策推進基本計画においてその推進が掲げられ、全国どこにいてもがんゲノム医療を受けられる体制の整備が進められています。

中央病院で行う遺伝子検査の概要

本研究の対象者

  1. 年齢が16歳以上である。
  2. 全身状態が良好である。
  3. 病理学的診断によって悪性固形腫瘍(固形がん 注:1)と診断されている。
  4. 治癒切除不能または再発の病変を有する(1)または(2)の腫瘍。
    (1)標準治療がない、標準治療が終了している、もしくは終了が見込まれる固形がん
    (2)原発不明がん(注:2)

注:1 固形がん

がんのうち血液を作る臓器である骨髄やリンパ節から発生する白血病やリンパ腫をのぞいた、かたまりを作って増殖するタイプのがん(例:胃がん、肺がん、乳がん等)のことです。

注:2 原発不明がん

がんが発生した臓器(原発部位)から離れた部位で進展したがん(転移巣)が先にみつかり、原発部位がわからないがんのことです。全固形がんの3%から5%を占める。

本研究の方法

  1. 先進医療として行う本研究の説明(インフォームドコンセント)を行います。
  2. 遺伝子解析を行う腫瘍組織を準備し、解析可能か確認します。
  3. 腫瘍組織と比較するための採血を行います。
  4. 腫瘍組織および血液からDNAを抽出し、NCCオンコパネルにより解析を行います。
  5.   網羅的遺伝子変化の解析結果は、院内または連携病院のエキスパートパネルと呼ばれる複数の専門家で構成される委員会によって、「意義づけ」が行われます。
  6. 遺伝子解析結果を担当医へ返却します。
  7. 遺伝子解析結果は担当医から説明されます。

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検査にかかる期間

検査には数週間かかり、患者さんに結果を戻すまでには1カ月弱を見込んでいます。

NCCオンコパネルでの検査対象遺伝子

国立がん研究センターが日本人の特徴を踏まえ開発した試薬「NCCオンコパネル」を用いて、がんに関連する遺伝子の変異を調べます。「NCCオンコパネル」に搭載されている遺伝子は114個で 、遺伝子異常によって機能が活性化した場合に意義がある遺伝子と、機能が欠失した場合に意義がある遺伝子に分けられます。活性化遺伝子異常を認めた場合に治療方針決定の補助となりうる遺伝子(赤字)、機能喪失遺伝子異常を認めた場合に治療方針決定の補助となりうる遺伝子(青字)は以下の通りです。また、114個の遺伝子のうち、12個については、治療方針決定の補助となりうる融合遺伝子(茶色)についても調べます。

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費用

先進医療技術である遺伝子解析に必要な費用は全額自己負担となり、それ以外の検査や診察の費用は一般の保険診療と同様の費用を負担いただきます。
また、遺伝子検査の結果、遺伝子に異常が見つからない場合や、異常が見つかっても治療に使用できる薬剤がない場合でも下記費用はかかります。

遺伝子検査にかかる費用

約67万円(このうち一部を研究費で補てんするため患者さんの負担額は約47万円)

上記に加え、本研究に必要な検査や診察にかかる費用(注:3)の目安

約2万5千円(3割負担の場合)

注:3 生検の有無等により異なります。また、結果に基づく治療の費用は含みません。

検査受付期間(予定) 注)登録を終了しました

2018年4月9日から2019年3月31日

登録数

200例以上350例以内

患者さん等一般の方からのお問合せ先

国立がん研究センター 中央病院
相談支援センター
電話番号:03-3547-5293(平日10時から16時まで)