がん遺伝子パネル検査を用いた先進医療について

2020年2月18日

 

がん遺伝子パネル検査を用いた先進医療（研究）に関する報道ありましたので、ご説明いたします。
この研究は、固形がん患者さんでの初回治療時のがん遺伝子パネル検査（包括的ゲノムプロファイル検査）の実現性と治療選択の有用性を評価するものです。
現在、標準治療終了後の患者さんを対象としたがん遺伝子パネル検査が保険適用されていますが、標準治療終了後では結果を待つ間に体調が悪化するなどして、適切なタイミングで治療を受けられない恐れがあります。しかし、標準治療開始時にがん遺伝子パネル検査を行った方が良いかどうかということも分かってはいません。そのため本研究では、標準治療開始時にがん遺伝子パネル検査を行うことで患者さんの遺伝子異常に対応した個別化医療を受ける機会が増えたかどうかを研究します。
本研究は、2月13日に開催された先進医療技術審査部会において、「適」と評価されました。今後、先進医療会議で承認された後、準備が整ったら研究開始となります。
正式に承認され、具体的に開始見込みとなりましたら、当院ホームページでご案内しますが、現在、予定している研究概要は以下の通りです。

 

研究課題名

「固形がん患者における初回治療時の包括的ゲノムプロファイル検査の実現性と治療選択への有用性を評価する前向き研究」

研究目的

進行期または再発の病変を有し、薬物療法の対象となる非小細胞肺がん、胃がん、大腸がん、乳がん、膵がん、胆道がんの患者さんを対象として、初回治療時にがん遺伝子パネル検査を行うことの臨床的有用性を評価する。

実施医療機関

国立がん研究センター 中央病院（東京都中央区築地5-1-1）

参加対象となる患者さんの条件

• 16歳以上

• 以下のがんと診断されている

  肺がん（非小細胞肺がん）、胃がん、大腸がん、トリプルネガティブ乳がん、膵がん、胆道がん

• 進行期または再発で、抗がん剤などの全身薬物治療の対象となる

• 対象となるがんに対する薬物療法が初めてである

費用

先進医療技術であるがん遺伝子パネル検査に必要な費用は全額自己負担となり、それ以外の検査や診察の費用は一般の保険診療と同様の費用を負担いただきます。
また、遺伝子検査の結果、遺伝子に異常が見つからない場合や、異常が見つかっても治療に使用できる薬剤がない場合でも下記費用はかかります。
なお、本研究はOncoGuide™ NCCオンコパネルシステムを用いて行います。

がん遺伝子パネル検査にかかる費用

560,000円

上記に加え、本研究に必要な検査や診察にかかる費用の目安（生検の有無等により異なります。）

10,443円（3割負担の場合）

 

 登録数（予定）

200例（各がん種10例以上、最大60例）

登録期間

1年