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国立がん研究センター 中央病院

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パクリタキセル/カルボプラチン療法 (TC療法)

TC療法とは、パクリタキセル (Paclitaxel) と、カルボプラチン (Carboplatin) という2種類の異なる作用の抗がん剤を組み合わせた治療法です。

使用する抗がん剤

パクリタキセル注

通常、細胞は細胞分裂をすることで増殖します。分裂する速さに差はありますが、がん細胞の増殖も同じです。パクリタキセルは、この細胞分裂に必要な微小管に作用することで、細胞の分裂を阻止してがん細胞が増殖することを抑え死滅させます。パクリタキセルは、その成分や溶解補助剤が原因と考えられているアレルギー症状が報告されています。この症状を予防するために、あらかじめ抗アレルギー薬を点滴します。また、添加剤として無水エタノールを含んでおり、眠気、ふらつき、動悸など、お酒を飲んだときのような症状が出ることがあります。アルコールに対してアレルギーのある方やお酒に弱い方は、お申し出ください。

カルボプラチン注

細胞が分裂する時、DNAの合成が行われています。これは、がん細胞が分裂する時にも起こります。カルボプラチンは、がん細胞に取り込まれて、DNAの合成を阻止し、がん細胞の分裂を止めることでがん細胞を死滅させます。

 

TC療法による副作用

脱毛 

初回のTC療法から2から3週間過ぎた頃より、髪の毛が抜けてきます。抜けはじめのころに頭皮がピリピリと痛むことがあります。脱毛は一時的なもので、治療が終了して2から3ヶ月で生え始めます。新しく生えてきた髪質が一時的に変わってしまうこともありますが、やがて以前の髪質に戻ってきます。

しびれ(末梢神経障害) 

TC療法では、10人に7から8人程度の割合でしびれを感じる方がいます。いったんしびれが出てから軽い症状のままで推移することもありますが、投与を重ねるたびに強くなることもあります。この症状は、手袋や靴下の着用範囲に起こりやすいと言われています。軽度の症状の場合、投与が終了してから数ヶ月以内に回復してくることが多いですが、症状が強い時には回復までに1年以上かかることがあります。      

筋肉痛・関節痛

TC療法では、10人に7から8人程度の割合で関節痛・筋肉痛を感じる方がいます。くすりを点滴してから2から3日後に症状が出現し、数日以内に改善されていきます。特に、背中や足の関節・筋肉で痛みを感じることが多いです。

注射部位における皮膚障害

このくすりは、注射の際のわずかな漏れでも皮膚障害を起こすことがあります。くすりを注射している間に、その注射部位が赤く腫れたり、痛みを感じる場合には、すぐに医療スタッフへお申し出ください。

アレルギー

アレルギーは、異物から自身を守るためのシステムが過剰に働いた時に起こります。アレルギーには、パクリタキセルによるものと、カルボプラチンによるものがあります。

アレルギーの主な症状とその対策

  • 皮疹が出る
  • 冷や汗が出る
  • 息が苦しくなる

などの症状がでることがあります。

点滴の1回目、2回目で起こるアレルギーはパクリタキセルによるものと考えられています。この症状を予防するため、あらかじめ抗アレルギー作用のあるお薬を点滴して症状を抑えます。急激に血圧が低下するような重篤なものは100人に1人程度、皮疹などの軽度のものは10人に2人程度の方に起こります。3回目以降は、上記のようなアレルギー症状の出る心配は少なくなりますが、点滴の回数を重ねることで同じ症状がでることがあります。この原因は、カルボプラチンによるものと考えられており、点滴の方法を工夫することで治療を続けることができる場合があります。上記のような症状または体調の異変を感じた場合はすぐに医療スタッフにお申し出ください。起こったアレルギー症状に対して、適切な処置を致します。

白血球減少

血液中の白血球は、体内に細菌が侵入しないように守る働きをしています。一般的にくすりを点滴してから1から2週間目に白血球の数が少なくなり、3から4週間目で回復してくると言われています。白血球が減少すると細菌に対する防御能が低下し、発熱や感染を起こす可能性があります。この時期には予防が大切です。
また、扁桃炎・虫歯・歯槽膿漏・痔などがある方は、あらかじめ担当医へご相談ください。

吐き気・嘔吐 

抗がん剤を注射した当日に現れる急性のものと、注射終了2から7日後に現れる遅延性のものがあります。TC療法では、予防のためにあらかじめ吐き気止めを点滴します。

爪の変化

爪が変色したり、変形するなどの変化が見られることがあります。治療が終わると徐々に回復してきます。爪を短く清潔に保つことが大切です。爪が脆くなったりすることがありますので、爪やすり等で磨かないようにしましょう。浸出液がでたり、爪の周りが赤く腫れて痛む時は、担当医にご相談ください。 

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