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若年がん患者さんが集う「AYAひろば」

平山医師

 

中央病院は、AYA(思春期・若年成人、Adolescent and Young Adult)世代のがん患者数が全国で最も多い病院であり、治療とともに精神的・社会的サポートにも力を入れています。その一環として、患者サポートセンターでは、月1回、「AYA ひろば」を開催中です。AYAサポートチームリーダーを務める精神腫瘍科の平山貴敏医師がAYAひろばについて紹介します。

患者さんの要望でスタート

AYAひろばとは?

AYA世代のがん患者さんが集まって、交流や情報交換をする場です。対象は15歳から39歳で、当院に通院中または入院中の患者さんです。毎月第2木曜日の15時から16時に開催しており、予約は不要です。 ニックネームでの参加も可能です。

AYA世代に限定しているのはなぜ?

10代から30代でがんになる人は少ないため、AYA世代の方は、入院中や通院中に同世代の方とコミュニケーションをとる機会がほとんどありません。AYA世代の患者さんたちから、同世代で交流できる場所が欲しいという声があり、2016年から始まりました。
10代、20代、30代は、就学、就職・就労、結婚、出産など、大事なライフイベントが重なる時期です。AYA世代の患者さんたちは、そういう時期にがんの治療を受けなければならず、この世代特有の悩みを抱えていることが少なくありません。また、AYA世代には肉腫や血液がんなど希少がんが多いので、治療情報や同じような体験をした同世代の患者さんの話を聞きたいというニーズもあります。

就職や結婚が話題になることも

参加者の人数は?

回によって異なりますが、だいたい5名前後で、7割は当院に入院中の患者さん、 3割が通院中の方です。看護師、薬剤師、 臨床心理士、ホスピタルプレイスタッフ(未成年の子を持つがん患者さんを支援する職種)緩和医療科の医師、精神腫瘍科の医師から成るAYAサポートチームからも数名が参加し、初対面の患者さん同士でもコミュニケーションが取りやすいように会話のきっかけづくりをしています。

どのようなことを話すのですか?

基本的には、その日に参加した患者さんたちが話したい内容を自由に話してもらっています。最近観た映画や好きな音楽の話、受験や就職、結婚が話題になることもありますし、抗がん剤の副作用の対処法、治療による生殖機能への影響について患者さん同士で話す場合もあります。友達や職場の人に病気のことを話しているか、家族とのつきあい方も話題になることが多いテーマです。
AYAひろばで聞いた話はその場限りのこととし他言しないこと、 他の人の意見は批判せずに尊重するのがルールです。

同世代で安心して話せる場に

利用者の感想は?

参加後のアンケートを一部紹介すると、次のような声が寄せられています。AYA

  • 「話を聞いてくれる安心できる場所として利用できた」(29歳・男性)
  • 「同世代と話す機会がなかなかないのでありがたい」(28歳・女性)
  • 「みんなの気持ちの上げ方を聞いて、自分もやってみようと思った」(18歳・女性)
  • 「自分と違う考え方を聞けてよかった」(38歳・男性)

同世代の患者さん同士で気持ちを分かち合ったり、いろいろな考え方に触れ たりすることが、病気や治療と向き合う力になることもあります。初めての方もリピーターも大歓迎ですので、15歳から39歳の患者さんは、ぜひAYAひろばをご活用ください。