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子育て中の気がかり相談し合う「親と子サポート教室」


小嶋 リベカ(こじま りべか)

がんで入院治療を受ける患者さんのおよそ4人に1人は、18歳未満の子の子育て中ですが、親子での出会いの場は意外に少ないのが実情です。中央病院患者サポートセンターでは、未成年の子どもがいる患者さんとご家族が交流できる「親と子サポート教室」を月1回開催しています。中央病院緩和医療科ホスピタルプレイスタッフ、小嶋リベカ公認心理師が紹介します。

親と子サポート教室とは?

18歳未満のお子さんを育てている患者さんとご家族を支援する教室です。お子さんへの「がん」という病気の伝え方など、さまざまな気がかりに対して、他の方はどうしているのか知りたいという患者さんに向けて、安心して情報交換できる場を提供し、気持ちを分かち合うなどピア(仲間)サポート的な役割を果たすのがこの教室の目的です。

開催日時と対象になるのは?

毎月第4木曜日の12時半から13時半です。当院に通院中または入院中の患者さんで18歳未満のお子さんがいる方と、ご家族ならどなたでも参加できます。通常は予約不要ですが、感染症対策のため現在は予約制で参加者を4人までに限定しています。

子どもも一緒に参加できますか。

お子さんと一緒でも、大人だけでもどちらでも大丈夫です。約3割は子連れで参加されています。お子さんたちにはスタッフが1人つき、風船人形やストラップ 作りなどで遊びながら、お父さん・お母さんと同じ部屋で過ごせるように工夫しています。子どもたちは遊びながら大人の話を聞いていて、会話に飛び入り参加することもあります。お子さんが、自分以外にも親ががんになった子どもがいると認識したり、遊びを通じて子どもの本音が出たりすることで親子のコミュニケー ションを促進するきっかけにもなっているようです。

教室の内容を教えてください。

最初に私から、名前など話したくないことは話さなくて構わないこと、気分が悪いとき、部屋から出たいときには自由に退出していいことなど教室のルールを伝え、参加者に自己紹介をしていただき ます。自己紹介では、お子さんの年齢と今気になっていること、参加理由を可能な範囲で話してもらいます。基本的には、自己紹介で出た話題を糸口に、参加者の皆さん同士で自由に話していただいています。
話題になることが多いのは、「子どもに何をいつ伝えればいいか」「入院時の子どもの反応が心配」「ママ友・パパ友など子ども関連の関係者に病気のことを伝えるかどうか」などです。
例えば、「子どもに『治るの、死なないよね』と聞かれてドキドキする」という方 に、「親が伝えなければ子どもは自分で探るから、『治りたいよ』と伝えればいいのでは」と別の参加者が声をかけたこともありました。幼い子に病名を話して周囲に黙っていられるかを心配する方に対して、「うちの場合は、少し成長してから病名を伝え、このことはおうちの中だけで話そうねと約束した」と自分の経験を話してくださった方もいます。体験者の言葉の重みは大きく、同じような悩みを抱える子育て中の患者さん同士でつながることで、安心感を得られたり、悩みを解決するアイデアを共有したりと、闘病生活を乗り切る力になっているようです。

患者さんに強調したいことは?

親子関係に正解はありませんし、お子さんのいるがん患者さんの悩みは共通点も多いものです。子どものことで気がかりがある方は、ぜひご参加ください。参加者に配布中のオリジナルノート『だいすきなあなたへ』も活用し、親子で気持ちを伝えあうことも忘れないでいただければと思います。