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国立がん研究センター 中央病院

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研究について

当院においては、がん細胞の免疫学的形質だけでなく、PCR法、FISH法といった分子遺伝子学的検索も行って、t(8;14)、t(14;18)、t(11;18)、t(9;22)、t(8;21)、t(15;17)といった疾患に特徴的な遺伝子異常を検出することにより、正確な診断に基づく適切な治療選択につなげています。また、新たな研究として、B細胞リンパ腫におけるがん抑制遺伝子を同定し、その意味づけに関する研究を進めています。

新たな治療薬の開発と平行して、試験管内で抗がん剤の有効性、耐性、毒性などに関する検討を分子標的薬について行っています。

新薬試験、臨床試験

現在わが国で市販されている血液腫瘍に対する抗腫瘍剤のほとんどすべてが当院血液腫瘍科で開発的な臨床試験が行われたものです。新規分子標的薬であるPCI-32765は、B細胞刺激シグナルの特異的な阻害剤で、B細胞性腫瘍の患者さんを対象とした臨床試験において明らかな有効性が確認されています。成人T細胞白血病リンパ腫などのT細胞腫瘍に対する抗CCR4抗体(モガムリズマブ)はわが国の製薬企業と研究機関の研究者の共同研究によって開発された新規抗体薬で、成人T細胞白血病リンパ腫の患者さんに対する臨床試験において明らかな有効性が確認され、世界に先駆けて2012年にわが国で承認されました。その他、多くの分子標的薬、抗体薬の臨床試験に精力的に取り組んでいます。

新薬だけではなく、市販の薬剤を他の抗がん剤や放射線治療と併用するなどして、標準的治療の開発をめざした臨床試験にも精力的に取り組んでいます。当院は、JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)あるいはJALSG(日本成人白血病研究グループ)の中核的な施設であり、臨床試験プロトコールの計画立案段階から参画し、指導的役割を果たしております。

成人T細胞白血病リンパ腫に対してJCOGによる多施設共同臨床試験を連続的に行い、第III相試験(JCOG9801)により標準治療を確立しました。また、鼻咽頭原発限局期NK/T細胞リンパ腫に対する化学療法と放射線療法の同時併用の第I/II相試験(JCOG0211-DI)により標準治療を確立しました。これらの臨床試験結果に関する論文は、米国臨床腫瘍学会が発行するJournal of Clinical Oncologyというがん治療の一流医学雑誌に掲載され、世界のリンパ腫治療の進歩に貢献することができました。

わが国のみならず世界の血液腫瘍患者の治療成績の更なる向上をめざして、診療・研究・教育における努力を続けています。