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膵神経内分泌腫瘍の治療

膵神経内分泌腫瘍(Pancreatic NeuroEndocrine Tumor: P-NET)とは

「がん」と呼ばれる悪性腫瘍には様々な種類がありますが、神経内分泌細胞が腫瘍となったものを神経内分泌腫瘍といいます。日本では神経内分泌腫瘍の多くが膵臓に発生します。もともと膵臓には様々な種類の内分泌(ホルモン)の機能を持つ細胞があります。その種類によってインスリンを分泌する細胞が腫瘍化した場合は「インスリノーマ」、ガストリンを産生する細胞が腫瘍化した場合は「ガストリノーマ」と呼ばれます。それらの腫瘍はホルモンを過剰に産生することがあり、例えばインスリノーマが、インスリンを過剰に産生することで、低血糖発作などの症状をおこす場合があります。このように症状を出す腫瘍のことを「機能性」神経内分泌腫瘍、症状を出さない腫瘍のことを「非機能性」神経内分泌腫瘍といいます。また、遺伝が関与することもあり(MEN-I型、VHL型など)、専門的な診断が必要です。

詳しくは、がん情報センターホームページhttps://ganjoho.jp/public/cancer/net/index.html をご覧ください。

 

膵神経内分泌腫瘍の外科治療とは

膵神経内分泌腫瘍は良性のものから悪性のものまでさまざまであるので、ひとくくりにできない疾患です。数年経っても変化がない腫瘍もあれば、ほんの数cmの大きさであるにもかかわらず他の臓器に転移してしまうような悪性度の高いものまであります。

膵神経内分泌腫瘍の治療は、患者さんの状況、腫瘍の性質をよく理解して、外科治療に踏み切るタイミング(手術の適応)を判断する必要があります。小さな腫瘍でも積極的に手術をお勧めする場合もありますし、しばらく様子を見ることをお勧めする場合もあります。例えば、他のがんでは手術をお勧めしないような多数の肝転移病変あるような状況でも、神経内分泌腫瘍の場合は肝切除を行うことが患者さんにとって有益と判断されることもあります。

まずは正確な診断に基づいて、ひとりひとりの患者さんの状況に応じて適切な治療を行う事が大切です。当院では肝胆膵内科と密に相談・協力し、外科的な治療を行うべきか、内科的な治療を行うべきかなどの方針を決定しています。