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アジア連携推進タイ事務所 NCCが初の海外事務所を開設

in English

  • アジア連携推進タイ事務所(Asian Partnerships Office)が設置されたタイ・バンコクでATLAS国際シンポジウムが開催され、現地KOLとFace to Faceのネットワーク構築が実現しました。
  • APOが主体となり第1回ATLAS国際シンポジウムが開催されました。

概要

国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:中釜 斉、東京都中央区)中央病院(病院長:島田 和明)は、アジアがん臨床試験ネットワーク構築に関する事業(Asian Clinical Trials Network for Cancers project: ALTAS project)の一環として、このたびタイ・バンコクにアジア連携推進タイ事務所(Asian Partnerships Office: APO)を設置し、20224月に本格稼働いたしました。

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2020年9月にスタートしたATLASプロジェクトを継続的に運営するため、アジア各国の参加国との綿密な連携が欠かせません。そのため、国立がん研究センター中央病院では、タイのバンコクにアジア連携推進タイ事務所(Asian Partnerships Office: APO)を設置しました。このたび、APO本事務所開設と同時に国際シンポジウムを開催しアジアにおけるATLASプロジェクトおよびAPOの意義を発表しました。

背景

ATLASプロジェクトは20209月に世界の早期薬剤治療開発をアジアでリードするために設立された国際共同試験ネットワークです。アジア地域で、すでに国際共同試験を豊富に実施している国々に加え、今後積極的に治験・臨床試験を推進しようとしている、マレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア、およびベトナムなどと共に、がんの早期薬剤開発の発展を目指していきます。(詳細はこちらを参照

こうした取り組みを継続的に実施するためには、参加国間でFace to Faceの関係構築が欠かせません。そのため、20209月、国立がん研究センター中央病院では、タイのバンコクにアジア連携推進タイ事務所(Asian Partnerships Office: APO)を設立し、各国との連携を深める取り組みを計画致しました。

APOは202110月にバンコクのプロンポンに仮事務所を開設しました。

初代事務所長の寺田参省(医師:国立がん研究センター中央病院)が赴任した後、当仮事務所を拠点としてバンコク市内の様々な医療機関および関連機関とネットワークを構築して参りました。特に、今回のATLAS International Symposiumの開催にあたり、会場確保や参加者の呼びかけ、また当日の運営など様々な役割をこなしております。こうした地道な努力が実り、今回のシンポジウムが開催されたことで、我々の考えるネットワーク構築の幕開けとして相応しいイベントになったと自負しています。

シンポジウム開催と時を同じくして、20224月にラチャテウィー(Ratchathewi)に本事務所に移設し、今後益々多方面にネットワークを拡充して参ります。

 

APOの役割

APOは、ATLASプロジェクトの推進を現地から支援するために設立されました。

主にARO(Academic Research Organization)機能の拡充、各国各施設とのネットワーク構築、国立がん研究センターやATLASプロジェクトの活動に関する広報や人材雇用の任を帯びています。

APOがARO機能を持ち国際共同試験の調整事務局を担うことで、試験全体のコストダウンを図ることができます。

また各分野のKOLや研究者のリスト、参加施設の臨床試験実施体制に関するfeasibility reportを作成し新規試験を効率的に開始できるネットワークを構築することが可能です。

さらに、より多くの協力者を得るための広報活動も行います。現地でのセミナーやシンポジウムの開催・参加を通じて有望な若手研究者や規制当局、企業等にもNCCATLASの活動を広く知ってもらい、将来の共同プロジェクトにつなげていきます。

APOネットワーク構築

様々な関係者との懸け橋としてAPOは活動します。

展望

今回、APO本事務所開設による本格稼働、およびATLASプロジェクトとしては初となる国際シンポジウムを開催し、多くの関連各国と親密な関係を構築する糸口がつかめました。ATLASプロジェクトはアジア各国が協力し、アジアのがん医療の課題解決を目指すプロジェクトです。このネットワークを維持、発展させ国内外にその恩恵が届くよう尽力して参る所存です。