IVRセンター
IVRセンターについて
IVR(Interventional Radiology)は、CTや超音波などの医療用画像を参照しながら行う低侵襲治療・処置の総称であり、がん診療においては、がんに対する根治的治療から症状の緩和に至るまで、幅広い場面で活用されています。
国立がん研究センター中央病院のIVRセンターは、院内外の患者さんにIVRを提供するとともに、その普及を通じて日本のがん医療の向上に寄与することを目的に、2014年12月に開設されました。現在、年間6,000件を超えるIVRを施行しているほか、1,300件以上の胆膵内視鏡処置も行っています。
当センターは中央病院4階に位置し、最新の画像診断機器および治療機器を多数備えています。IVRに精通した医師、診療放射線技師、看護師が各診療科と密接に連携し、患者さん一人ひとりに最も適切な方法を検討のうえ、身体への負担が少なく、安全で質の高いIVRを提供しています。
(IVRセンター長 菅原俊祐)
マルチモダリティー:各種の画像診断機器
多様な画像診断機器を組み合わせて用いることで、安全で正確な治療を行います。1993年に国内メーカーと協力して開発したAngio-CT装置を活用した種々の経皮的治療や、胆道、膵臓等の内視鏡治療のほか、経皮的治療と内視鏡治療の組み合わせなど、新たな低侵襲治療法にもとりくんでいます。
設備
- Angio-CT装置
- 血管アクセス用超音波装置
- ラジオ波凝固療法装置
- マイクロ波凝固療法装置
- 凍結療法装置
- 超音波装置
- 内視鏡装置
患者さん中心のチーム医療
医療機器やX線ひばくの知識、トラブル対策、ならびに患者さんの心身の状態に精通した医師、看護師、診療放射線技師が、職種や診療科の枠を超えたチームで診療にあたります。これらの多職種で毎日カンファレンスを行い、情報共有を行うとともに、院内の各部署との連携をはかっています。
人材育成と教育
国内各地ならびに海外から、医師、看護師、診療放射線技師が研修に訪れて、研鑽を積んでいます。日常診療における医療技術指導のほか、IVRに関わる臨床・研究の教育カンファレンスにより、知識と技術の向上に努めています。また、海外(シンガポール、フランス、アメリカ)の教育病院と提携して、テレビ会議システムを使用したカンファレンスを施行しています。
研究と情報発信
多施設共同臨床試験グループである日本腫瘍IVR研究グループ(JIVROSG)(外部サイトにリンクします)の基幹施設として、臨床試験の立案と遂行に携わっています。ほかにも多数の臨床研究を施行し、学会ならびに論文発表、国内外での講演を行っています。
患者さん・一般の方むけ書籍のご案内
IVR医はいないの? ~その病気、切らずに治せるかも~

カテーテルや針を用いて行うIVR(画像下治療)は、身体を切らないため体への負担が少ない治療法ですが、「どんな場面で活躍するか」は案外知られていません。そんながん治療で活躍するIVRを、本書は漫画で判りやすく紹介しています。
発行日:2018年7月11日
原作:荒井 保明
価格:本体1482円+税
ISBN:978-4-86291-175-9 C3347
ご購入の際はメディカル・アイ社のホームページもご覧ください。