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放射線治療の医療安全に関する参考資料

国立がん研究センター研究開発費 「⾼精度放射線治療の実施体制の確⽴と医療安全に関する 研究、課題番号2022-A-18、研究代表者 岡本裕之)」では、放射線治療における医療安全の啓蒙活動を行っています。これまでの成果をまとめた資料は、以下の項目からダウンロード可能です。内容につきましてご意見等ございましたら窓口までご連絡ください。



  • 放射線治療チーム医療に関するASTROレポート
本書は米国におけるIMRTなどの放射線過誤照射事故を受け、米国放射線腫瘍学会ASTROが団体の枠を超えて放射線腫瘍学関連学会とともに作成した「Safety is no accident」の日本語訳です.この文書の目的は、安全な放射線治療を実施するためのガイダンス、放射線治療施設の設備や構造、放射線治療のケアプロセス、放射線治療に関わる各職種の専門性と役割、品質管理/品質保証の手順や条件を明示しています.
資料:Safety is no accidentの和訳

  • 放射線治療工程研修
当室では、放射線治療科および放射線技術部と連携し毎年新人スタッフを対象に放射線治療工程研修を実施しています。放射線治療プロセスマップに基づき、ランドファントムを用いて放射線治療に至るまでのすべてのプロセスを実施し、多職種間で診療手順や手技などの確認を行っています。その中で過去に起きたインシデントやニアミスインシデントについても説明し、運用マニュアルから得られない各事象の潜在的リスクについての理解を深めています。参加者は職種問わず習熟者、新人で構成されています。本研修を継続して行うことにより、職種間の連携強化およびスタッフ個々のリスクマネージメント向上、診療プロセスの改善が期待できます。工程毎に5つのステージがあります:(i)固定具作成、(ii) シミュレーション、(iii) 治療計画・治療前準備;データ入力、線量検証、(iv) 治療;手技、照合、診療報酬の請求、記録、(v) 治療後検証(R&V、 レポート作成)。業務終了後に1~2時間を目安に1工程を終了し、1週間ですべての工程が終了するように計画しています。最終工程時には、新人に対し理解度チェックを実施し、必要に応じて説明を追加します。
資料:放射線治療工程研修に関わる資料
放射線治療工程研修.png


  • 治療計画チェックリストとレポートティイングシステム
当院で実際に利用している治療計画のチェックリストとレポーティングシステムの提出用紙です。チェックリストについてはこれまでの経験から項目を定期的に見直しています。また、電子カルテの指示が治療計画に反映されているかどうかも確認しています。エラーがあった場合には発見者がレポーティングシステムを記載し、毎月集計して、各装置の担当者がその月に起きたニアミスインシデントを報告し、リスクの高い事象の共有のプロセスの改善を図っています。
資料:治療計画のチェックリスト
資料:当院のレポーティングシステムの提出用紙

  • AAPM task group 100「放射線治療の品質マネジメントへのリスク解析法の適用」
放射線治療にリスク分析の導入を支援するためのガイドラインです。リスク分析を導入することで効率的かつ効果的に品質マネジメントが実施できます。リスク分析のおおまかな流れは、放射線治療プロセスマップの作成、故障モードの洗い出し、故障モード影響解析(FMEA)を用いたリスク分析、対策の検討となります。
資料:タスクグループ100レポート「放射線治療の品質マネジメントへのリスク解析法の適用

  • AAPM task group 275「放射線治療における効果的な治療計画/カルテレビューのための方策」
治療開始前に行う治療計画および電子カルテの確認作業は、臨床現場で働く医学物理士にとっては重要な任務の1つです。AAPM TG-40以来治療計画の確認項目も含めた包括的なQAに関するガイドラインはなく、TG-275ではじめてリスク分析の考えを導入した指針となっています。TG-275では、治療前の初回レビュー、週毎のレビュー、治療終了後のレビューに分けられます。週毎のレビューの主な確認項目は、治療部位と計画部位の比較、また新しい部位や既に照射された部位が医師によって変更されていないかどうかなどがあげられます。治療終了時のレビューは、部門の方針に従って文書化が完了されていること、処方線量が照射されていること、医師の治療サマリーが作成されていることなどがあげられます。
資料:タスクグループ275レポート「放射線治療における効果的な治療計画/カルテレビューのための方策」

  • 高線量率小線源治療用 個人線量管理シート

煩雑な高線量率小線源治療のEQD2換算(2 Gy分割等価線量換算)と合算評価を安全かつ簡便に実施することを目的に開発したシートです。本シートのデータベース機能と患者個々の線量管理機能を用いて、安全な臨床実施と臨床研究の促進を図っています。使用に当たっては、下記よりユーザー登録をして頂く必要がございます。

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【資料に関する問い合わせ】
国立がん研究センター中央病院
〒104-0045
東京都中央区築地5-1-1
電話番号:03-3542-2511 (内線 3767)