トップページ > 診療科 > 呼吸器外科 > 手術を受ける際の説明書類 > 肺の手術を受けた患者様へ–生活上の注意点について–

肺の手術を受けた患者様へ–生活上の注意点について–

image01.png

肺の手術を受けた患者様へ、手術後の症状や、生活上の注意点について、解説をいたします。

 

image02.png

はじめに、肺の手術を受けた患者様には、退院後の生活において、いくつか気を付けていただきたい点があります。 
お手元の資料をご一読の上、無理のない生活を送るように
心がけてください。
何か困ったこと、不安に感じることが出て来た場合は、当院までご連絡ください。

 

image03.png

手術後の症状に対する対応方法(痛み)、手術後によくみられる症状と、その対応方法について紹介します。

傷の痛みは手術後、日が経つにつれて徐々に症状が軽くなり、個人差はあるものの、2ヶ月から3ヶ月するとあまり気にならなくなるケースがほどんどです。
また、ちくちくとした痛みや胸に板を入れたような違和感を感じることがあります。
これは、手術によって肋骨の近くを走る肋間神経や骨膜を刺激したことに関係していると言われています。
このような症状は通常、半年から1年程度経つとみられなくなります。

 

image04.png

退院後の痛みには、鎮痛剤を使います。
退院後も鎮痛剤を使用しながら痛みと付き合っていくことが必要です。
痛みがあるからといって動かないのではなく、痛み止めを使いながら、軽い運動を続けましょう。また、次のページも参考にしてください。

 

image05.png

痛みを和らげるために、自宅で実践できることがあります。

  • 1つ目は、痛いところを温めましょう。
    カイロ、温湿布、湯たんぽなどを使うと効果的です。
    しかし、注意していただきたいのは、傷口は知覚神経が鈍くなっているため、低温やけどをおわないためにも、傷の上に直接貼るのは避けるようにします。
  • 2つ目は、傷口を冷やさないことが大事になりますので、湯舟につかって身体を温めましょう。
    3つ目は、傷口への圧迫を避けましょう。
    寝るときは、座布団やクッションなどを使い、傷口の圧迫を避けるようにしましょう。
  • 4つ目は、女性用の下着で、ワイヤーを使ったものは避け、ゴムなどの柔らかな素材の物を着用するようにしましょう。

 

image06.png

傷口の観察・管理方法について、ご説明します。

お風呂に入る時などに毎日鏡で傷口を観察しましょう。
傷口はのりのようなものが付いていますが、無理に剥がさないようにしましょう。自然に剥がれてしまった場合は、そのままで大丈夫です。
傷口は泡立てた石鹸で優しく洗って清潔にしましょう。
初回外来時までの注意点として、糸は退院後の初回外来時に抜糸します。
洋服に糸が引っかかることが気になる場合は、ガーゼや絆創膏を貼ってもかまいませんが、毎日張り替えをして清潔を保ちましょう。
退院後は入浴可能です。
一番風呂に入る必要はあませんが、感染予防のため温泉や銭湯を利用するのは、次回外来日までは避けるようにしてください。

 

image07.png

咳や痰について、ご説明します。

術の影響で痰や咳がしばらく続くことがあります。
また、痰に血が少し混じることがありますが、この場合はとくに問題ありません。
しかし、次のような症状が出たら当院にご連絡ください。
注意すべき症状には、

  • 痰の量が多くなる
  • 痰が真っ赤になる
  • 痰が悪臭を伴う

などがあります。

 

image08.png

発熱については、退院後しばらくは37度台の発熱を認めることがありますが、それは正常な身体の反応なので問題ありません。
しかし、次のような症状が出たら当院にご連絡ください。
注意すべき症状は、38度以上の発熱が続くときです。

 

image09.png

手術後の生活習慣について、ご説明します。

まず、運動についてです。
手術によって肺の一部分を切除したため、呼吸機能が低下しています。
そのため、家事や散歩などの適度な運動を行うことは、体力・呼吸機能を回復させ、リハビリとして最適です。自分のペースでリハビリをしていきましょう。
また、手術中の体位や傷をかばう姿勢の影響で、肩の痛みや肩凝りを生じる場合があります。
肩周りの筋肉が固まることで、呼吸をするための筋肉も固まってしまうため、肩をゆっくり回したり、動かしたりしましょう。

 

image10.png

禁煙について、ご説明します。

たばこは絶対にやめましょう。
喫煙することで、気管支が刺激され咳や痰が増え、肺炎を起こしやすくなります。
また、残った肺の機能も低下させることとなり、肺がんになる可能性が高くなります。

その他、お酒や食事については、飲酒はたしなむ程度とし、なるべく控えるようにしましょう。
また、糖尿病の病気をもっている方は、カロリー制限を怠ると傷の治りが悪くなります。
退院後もバランスのよい食事をとるように心がけましょう。

 

image11.png

外出や旅行・職場復帰について、ご説明します。

外出や旅行の制限はとくにありません。
仕事に関しては、ご自身の体調を勘案した上で、いつでも復帰可能です。
職場の上司などと相談してみましょう。
退院後、肺炎等を起こさないように、外出後は手洗い・うがいをしっかりと行いましょう。

 

病院に連絡していただきたい症状について

image12.png

外出や旅行・職場復帰について、ご説明します。

外出や旅行の制限はとくにありません。
仕事に関しては、ご自身の体調を勘案した上で、いつでも復帰可能です。
職場の上司などと相談してみましょう。
退院後、肺炎等を起こさないように、外出後は手洗い・うがいをしっかりと行いましょう。