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よくある質問

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遺伝子検査について

検査全般

Q1:がん遺伝子パネル検査を受けたいのですが、どうすればいいでしょうか?

がん遺伝子パネル検査は、全国13ヵ所のがんゲノム医療中核拠点病院、32ヵ所のがんゲノム医療拠点病院、全国215ヵ所のがんゲノム医療連携病院で受けることができます。受診の際には、これまでの治療経過を記載した紹介状や、検査のための病理組織検体などが必要になりますので、まずは、かかりつけの医療機関の主治医と相談してください。なお、中央病院でがん遺伝子パネル検査を希望される場合は、医療機関から中央病院への予約が必要になります。

Q2:検査をうけるために何回受診しないといけないでしょうか?

受ける検査の種類や、検査に用いる検体の状況によって、検査前に2回以上の来院が必要になる場合があります。

Q3:家族のみでも受診できますか?

ご本人が来院してください。

Q4:費用はどれくらいかかりますか?

保険診療にかかる検査のみの医療費は、56万円となっています。
患者負担割合が1割の場合は5万6千円、2割の場合は11万2千円、3割の場合は16万8千円になります。
その他、検体の準備などの費用が追加で必要となります。
高額療養費制度の対象となる場合がありますので、病院の相談窓口でご相談ください。

Q5:「がん遺伝子検査」とは何ですか?

がんのもつ遺伝子の特徴を調べる検査です。この検査により、あなたのがんに特徴的な異常を検査することで、治療法の選択に役立つ場合があります。がん遺伝子検査には、従来の1から2つの遺伝子を対象にした検査と、複数の遺伝子を一度に調べることのできるがん遺伝子パネル検査があります。がん遺伝子パネル検査には、大きく分けて、既に保険適用となっている薬物療法(抗がん剤)の投与を検討する検査(コンパニオン検査)と、標準治療が無い、または終了した患者さんを対象に、何らか次の薬物療法を探索するために調べる検査(がん遺伝子プロファイリング検査)とがあります。

Q6:何のために、がん遺伝子検査をするのでしょうか?

がん遺伝子検査によってそのがんに特有の遺伝子の変化が見つかった場合、その変化に対応して効果の期待できる治療が行える可能性があります。しかし、すべての遺伝子の変化に対して抗がん薬があるわけではありません。

Q7:がん遺伝子パネル検査とはどのような検査ですか?

がん遺伝子パネル検査は、Q5でご説明したがん遺伝子検査を行う検査です。がん遺伝子パネル検査はがんに関連する遺伝子の変化を複数同時に測定する検査で、主に治療と関連するがん遺伝子の変化を効率的に解析することが可能です。がん遺伝子パネル検査の最も有効な使い方は、標準治療が無い、または終了した患者さんを対象に、何らか次の薬物療法を探索するために調べる検査(がんゲノムプロファイリング検査)ですが、既に保険適用となっている薬物療法(抗がん剤)の投与を検討する検査(コンパニオン検査)としても実施可能ながん遺伝子パネル検査が存在します。

Q8:保険で使用可能ながん遺伝子パネル検査はどのような種類があるのでしょうか?

「OncoGuideTM NCCオンコパネル」「FoundationOne® CDxがんゲノムプロファイル」「FoundationOne® Liquid CDx がんゲノムプロファイル」の3種類です。

Q9:がん遺伝子パネル検査は何を使うのですか?

手術で摘出されたがん組織、または、診断目的で採取(生検といいます)されたがん組織のうち、保存されている物を使います。原則として3年以内のものが検査に適しています。保存されているがん組織が古い場合や、十分な量がない場合には、新たな採取が必要になることもあります。
また、NCCオンコパネル検査では、正常組織との対比を行うため、血液検査も同時に行います。

Q10:がん遺伝子パネル検査は、血液検査で受けられるのでしょうか?

現在のところ、「FoundationOne®  Liquid CDx がんゲノムプロファイル」検査は、血液検査で受けることができます。ただし、保険診療の対象として「医学的な理由で固形腫瘍の腫瘍細胞を検体とすることが困難な場合」、「固形腫瘍の腫瘍細胞を検体として実施したパネル検査で結果を得られなかった場合」にのみ実施可能とされているため、実際に患者さんが検査を受けるのに適した状態であるかは担当医が判断します。検査を希望されても担当医が適切でないと判断した場合は検査を受けられない可能性があります。

Q11:がん遺伝子パネル検査に使用する検体はどのように準備すればいいですか?

手術や検査をした病院に組織(腫瘍のかたまり)が保存されている可能性あります。主治医の先生に相談してみてください。

Q12:がん遺伝子パネル検査の結果がわかるまでにはどのくらいの時間がかかりますか?

4週から6週間と予想されます。検体の準備などに時間を要する場合は、更に日数が必要です。
また、外部委託する検査機関の状況により日数がかかる可能性があります。

検査の対象

Q13:がん遺伝子パネル検査はすべてのがんの種類で検査可能ですか?

血液のがんは、今回はがん遺伝子パネル検査の対象になっていません。保険診療の対象は、標準治療がないまたは局所進行または転移が認められ標準治療が終了となった固形がん患者さん(終了が見込まれる方を含む。)となっています。
さらに、全身状態及び臓器機能などから、遺伝子パネル検査の後に化学療法の適応となる可能性が高いと主治医が判断した患者さんとなっています。

Q14:がん遺伝子パネル検査はなぜ血液がんは対象外なのですか?

血液がんと固形がんでは、異常が見つかる遺伝子に差がある傾向が言われています。保険適用となったがん遺伝子パネル検査で調べられる遺伝子は、固形がんを主体に選択されていることから、保険診療が可能な条件として、固形がんの患者さんのみが対象となっています。

Q15:研究で、過去にがん遺伝子パネル検査をしたことがあるのですが、保険適用されたがん遺伝子プロファイリング検査をうけることはできますか?

すでに先進医療や研究等でのがん遺伝子パネル検査を受けたことがある方も検査可能ですが、同様の検査結果となり追加情報が得られない可能性がございます。

検査後

Q16:検査結果はどのように報告されるのでしょうか?

  • 検査結果は、検査会社から各医療機関にレポートとして返却されます。
  • そのレポートをもとに、専門家の会議 (エキスパートパネルと呼びます) で、推奨される治療薬の候補などが議論されます。
  • がんゲノム情報管理センター(C-CAT)への登録を同意された患者さんについては、検査会社からのレポートに加えて、国内の治験情報などが記載された「C-CAT調査報告書」がエキスパートパネルに届き、議論の参考情報となります。
  • エキスパートパネルで検討された結果は、主治医を通して患者さんにご説明いたします。

Q17:検査で薬が見つかる可能性はどれくらいですか?

日本および海外のがん遺伝子パネル検査の研究データから、全体で治療と関連する遺伝子の変化が見つかる可能性は5割程度と言われています。ただし、そういった遺伝子の変化が見つかっても、実際にその結果に基づいた治療が実施された患者さんは、全体の1割から2割程度だったとされています。

Q18:遺伝子異常に合わせた治療はどれほどの効果があるのでしょうか?

前述のとおり、検査の結果、治療につながる可能性は全体の1割から2割程度と言われています。
具体的な治療薬が見つかった場合でも、それらの治療が保険診療で実施できるとは限らず、治験や保険適用外となる可能性があります。
治験は、病状により参加できない可能性があります。保険適用外の抗がん薬を用いて治療する場合には、先進医療や患者申出療養等の制度、自費診療などが考えられます。自費診療の場合、高額療養費制度は使用できません。

Q19:検査後の治療は、中央病院でしてもらえますか?

検査後に選択する治療方針によって変わります。中央病院と紹介元の病院で同じ治療が可能な時は、通院時の負担も考慮して、ご自宅近くの病院での治療をおすすめしています。

その他

Q20:がん遺伝子パネル検査を行うと、家族性腫瘍の可能性がわかるのでしょうか?

がん遺伝子パネル検査は、がん細胞や組織に生じる遺伝子の変化を検出するので、原則的には家族性腫瘍に関する遺伝子の変化を検出の対象としていません。しかし、特にNCCオンコパネルはご本人の血液検査を行うことで、生まれ持った家族性腫瘍に関連する遺伝子の異常が見つかる可能性があります。これらの情報をもとに、ご本人以外の血縁者にもがんが発症する家族性腫瘍の可能性が指摘される場合があります。不安に思われる方は、検査前に主治医の先生とよく相談してください。

また、家族性腫瘍についての不安を検査前にもたれる場合や家族性腫瘍に関わる検査結果が認められる場合には、遺伝カウンセリング外来でのご相談も可能です。

Q21:保険で承認されていない遺伝子検査の結果はどうすればよいでしょうか?

保険で承認されていない検査は、検査結果の意義が不明なものもあります。一般に、その情報に基づいて保険診療を行うことはできません。情報の出所や発信元を確認してください。

Q22:PARP阻害剤の効果とBRCA遺伝子変異が関係あると聞きましたが、BRCA遺伝子はがん遺伝子パネル検査でわかるのでしょうか?

がん遺伝子パネル検査の種類によっては、BRCA遺伝子の変異を調べることができます。がんではなく、生まれ持った(生殖細胞系列の)BRCA遺伝子の有無が薬の効果と関連することが報告されているがんがありますので、検査を希望される場合は主治医とよく相談してください。

Q23:免疫チェックポイント阻害剤の効果とミスマッチ修復、マイクロサテライト不安定性との関係があると聞きましたが、がん遺伝子パネル検査でわかるのでしょうか?

がん遺伝子パネル検査の種類によっては、ミスマッチ修復遺伝子異常、マイクロサテライト不安定性を調べることができます。これらの異常がある方では、免疫チェックポイント阻害剤の治療効果が高いと言われている場合がありますので、主治医の先生とよく相談してください。

Q24:免疫チェックポイント阻害剤の効果と腫瘍の遺伝子変異量Tumor mutation burden (TMB)と関係があると聞きましたが、TMBはがん遺伝子パネル検査でわかるのでしょうか?

がん遺伝子パネル検査によってはTMBの数を推定することが可能です。検査をする前に主治医の先生とよく相談してください。

Q25:がん遺伝子パネル検査の結果は公的研究に使用されるのでしょうか?

がん遺伝子パネル検査前に、検査情報および臨床情報をがんゲノム情報管理センター(C-CAT)に提出することに同意を頂けるかについて主治医から説明があります。同意される場合には、個人が直接は特定できない形で、それらの情報がC-CATに登録されます。集約された情報は、日本におけるがんゲノム医療の質の向上、新しい治療の開発に資する目的等で使用されます。

保険適用範囲

保険適用の概要

Q26:自分は受けられますか?

保険診療のための要件として、固形がんと診断されていることのほか、検査対象の患者さんの要件が規定されています。そのため、検査可能かどうかは、個々の患者さんごとにその要件に当てはまっているかを確認することになります。

ただし、実際に患者さんが検査を受けるのに適した状態であるかは、担当医が判断しますので、検査を希望されても担当医が適切ではないと判断した場合はおすすめしない場合もあります。

検査対象の詳細については、2019年5月29日の中央社会保険医療協議会総会資料 医療機器の保険適用について 総-1 医療機器の保険適用に記載されています。

該当文書:

”本検査は、標準治療がない固形がん患者又は局所進行若しくは転移が認められ標準治療が終了となった固形がん患者(終了が見込まれる者を含む。)であって、関連学会の化学療法に関するガイドライン等に基づき、全身状態及び臓器機能等から、本検査施行後に化学療法の適応となる可能性が高いと主治医が判断した者に対して実施する場合に限り算定できる。”

検査の回数

Q27:何度も検査を受けることはできるのでしょうか?

保険診療での検査は、お一人一回です。

自由診療

Q28:受けられない(保険適用対象でない)場合、どうしたら良いですか?   自由診療で受けることは可能ですか?

中央病院では自由診療では受けられません。
他に、先進医療などで別のがん遺伝子パネル検査を実施している医療機関もありますので、ご参考にしてください。

対象がん種

Q29:固形がんはすべて対象となりますか?

保険診療の対象として、下記の固形がん患者さんが対象となっています。
標準治療がない固形がん患者さん又は局所進行若しくは転移が認められ標準治療が終了となった固形がん患者さん(終了が見込まれる患者さんを含む。)であって、関連学会の化学療法に関するガイドライン等に基づき、全身状態及び臓器機能等から、本検査施行後に化学療法の適応となる可能性が高いと主治医が判断した方。

対象年齢

Q30:年齢などによる制限はありますか?

保険診療のための要件として、年齢に特に規定はありません。

対象ステージ

Q31:どの患者のステージでも検査可能ですか?

保険診療のための要件として、ステージ(病期)に特に規定はありませんが、局所進行若しくは転移が認められ、標準治療が終了となった固形がん患者さん(終了が見込まれる患者さんを含む。)が対象となっています。

 検査の申込・受診方法

検査の申込・受診方法

Q32:検査の申込方法を教えてください。

中央病院では、かかりつけの医療機関からお申込みいただくことになります。申込方法等の詳細は、がんゲノム初診受診の流れでご案内しています。

(東病院は通常の初診予約と同様に予約センターにご連絡ください。詳細は、東病院 お知らせをご覧ください。)

Q33:中央病院・東病院以外の病院でも受けることができますか?

令和5年4月時点で、保険診療としての「がん遺伝子パネル検査」は「がんゲノム医療中核拠点病院」、「がんゲノム医療拠点病院」および「がんゲノム医療連携病院」でのみ実施可能です。
指定されている医療機関の一覧は厚生労働省のホームページでご覧いただけます。

申込方法等の詳細は、受診を希望される医療機関にお問い合わせください。

Q34:がんゲノム医療について相談できるところはありますか?

がんゲノム医療について相談ご希望の方は、がん相談支援センターにご連絡ください。ご相談はがん相談支援センターに直接お越しいただく方法と、電話でお話を伺う方法があります。

対面での相談をご希望の方は、事前にお電話でのご予約をお願いします。

  • 場所:中央病院8階・患者サポートセンター内
  • 窓口受付時間:平日 8時30分から17時15分
  • 電話受付時間:平日 9時から16時
  • がん相談専門電話:03-3547-5293

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