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国立がん研究センター 中央病院

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遺伝子パネル検査をもっと早いタイミングで(先進医療)

抗がん剤による治療の開始時にがん関連遺伝子を網羅的に調べる遺伝子検査を用いた研究のご案内

中央病院では、患者さんのがんに関する遺伝子を1回の検査で網羅的に解析し、抗がん剤の選択に役立てる遺伝子検査を用いた研究を2020年6月15日より先進医療Bで実施します。

この遺伝子検査では、1回の検査でがんに関連するたくさんの遺伝子変異を調べ、抗がん剤の選択に役立てることができます。一方で、遺伝子検査の結果、遺伝子に異常が見つからない場合や、異常が見つかっても治療に使用できる薬剤がない場合もあります。標準治療終了後の患者さんを対象としたこれまでの臨床研究において、遺伝子変異に合う薬剤投与ができた患者さんは約10%でした。この度、抗がん剤による治療の開始時にこの遺伝子検査を行うことが、どの程度治療選択の役に立つかを評価するための研究を行います。下記をよくお読みの上、主治医等とよくご相談ください。

先進医療(先進医療B)について

「先進医療制度」における「先進医療」とは、効果・安全性などの評価が定まっていない新しい試験的な医療技術のうち、将来的に保険適用の対象にするかどうかの判断を下すための有効性・安全性の評価を行う医療技術として厚生労働省が指定したものです。効果・安全性が不明なことから、一部の医療機関でのみ実施が認められています。「先進医療B」では、公的医療保険が適用される医療と、上記のような保険適用の対象外の治療を共に実施すること(混合診療)が例外的に認められます。

がんゲノム医療とは

がんゲノム医療とは、がん患者さんのがんに関連する遺伝子変異に応じた抗がん剤で治療を行うものです。これまでのがん種ごとの治療方法に加え、遺伝子変異ごとに治療方法を検討します。
詳細は、「がんゲノム医療とは」のページをご確認ください。

本研究で行う遺伝子検査の概要

本研究の対象者

  1.  年齢が16歳以上である。
  2. 手術や放射線化学療法などの根治治療の対象とならない、もしくは手術後に再発した悪性腫瘍病変を有し、抗がん剤治療の対象である。
  3. 対象とする悪性腫瘍に対する抗がん剤の投与歴がない(ただし、術前後補助化学療法は許容する)。
  4. 全身状態が良好である。
  5. 病理学的診断によって以下のいずれかの悪性腫瘍(がん)と診断されている。
    1・非小細胞肺がん(EGFR, ALK, ROS1, BRAFなどの遺伝子変異を認めない)
    2・胃がん
    3・大腸がん
    4・乳がん(エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、HER2過剰発現のいずれも認めない)
    5・膵がん
    6・胆道がん
  6. 以下の腫瘍組織(がんの組織)のいずれか一つおよび患者さんの血液がんの組織を検査会社に提出可能である。
    がんの組織
    1.診断や手術時に既に採取され保管されているがんの組織
    2.本研究のために新たに採取するがんの組織
    非がんの組織
    3.本研究のために新たに採取する血液(2mL)

本研究の方法

  1. 先進医療として行う本研究の説明(インフォームドコンセント)を行います。
  2. 遺伝子解析を行うがんの組織を準備し、解析可能か確認します。解析不能と判断された場合、研究への参加が難しいことがあります。
  3. がんの組織と比較するための採血を行います。
  4. がんの組織および血液からDNAを抽出し、NCCオンコパネルにより解析を行います。
  5. 網羅的遺伝子変化の解析結果は、院内または本研究を実施している医療機関におけるエキスパートパネルと呼ばれる複数の専門家で構成される委員会によって、解析結果の「意義づけ」が行われます。
  6. 遺伝子解析結果を担当医へ返却します。
  7. 遺伝子解析結果は担当医から説明されます。
  8. 治療経過中に、遺伝子変化に基づく治療が導入されるかどうかを評価します。

図1

検査にかかる期間

検査には数週間かかり、患者さんに結果をご説明可能となるまでには一般的に1カ月程度を見込んでいます。

NCCオンコパネルでの検査対象遺伝子

国立がん研究センターが日本人の特徴を踏まえ開発した試薬「NCCオンコパネル」を用いて、がんに関連する遺伝子異常を調べます。「NCCオンコパネル」に搭載されている遺伝子は114個で 、遺伝子異常によって機能が活性化した場合に意義がある遺伝子と、機能が欠失した場合に意義がある遺伝子に分けられます。活性化遺伝子異常を認めた場合に治療方針決定の補助となりうる遺伝子(赤字)、機能喪失遺伝子異常を認めた場合に治療方針決定の補助となりうる遺伝子(青字)は以下の通りです。また、114個の遺伝子のうち、12個については、治療方針決定の補助となりうる融合遺伝子(茶色)についても調べます。

画像2

費用

先進医療技術である遺伝子解析に必要な費用は全額自己負担となり、それ以外の検査や診察の費用は一般の保険診療と同様の費用を負担いただきます。
また、遺伝子検査の結果、遺伝子に異常が見つからない場合や、異常が見つかっても治療に使用できる薬剤がない場合でも下記費用はかかります。

遺伝子検査にかかる費用

先進医療技術であるNCCオンコパネルの解析には、保険収載前のため下記の費用が掛かります。
NCCオンコパネルの解析が完了した場合 : 約56万円
解析が途中で中止となった場合 : 約8万円

上記に加え、本研究に必要な検査や診察にかかる費用注の目安

約1万1千円(3割負担、上部消化管内視鏡検査の場合)

注:生検の種類や有無等により費用が異なります。また、結果に基づく治療の費用は含みません。

検査受付期間(予定)

登録期間:1年(2020年6月15日から)
追跡期間:2年

登録数

200例(各がん種最低10例、最大60例)

患者さん等一般の方からのお問合せ先

国立がん研究センター 相談支援センター
電話番号:03-3547-5293(平日10時から16時まで)

本研究に係るQ&A

抗がん剤による治療の開始時にがん関連遺伝子を網羅的に調べる遺伝子検査を用いた研究についてのQ&Aをご覧ください。