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国立がん研究センター 中央病院

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リンパ節郭清の省略

婦人科がん手術治療後の代表的副作用に下肢リンパ浮腫(足のむくみ)があります。骨盤内(子宮、卵巣周囲の下腹部)のリンパ節郭清(手術対象範囲内での広範囲なリンパ節摘出)を行った場合、4人に一人程度の割合で下肢リンパ浮腫が生じます。足から体の中心に戻ってくるリンパ流の一部が切断されることが一因です。

リンパ節郭清を行った方には、定期的にご自身の足を確認していただく意味も込めて自己マッサージの方法をお伝えしております。リンパ浮腫を生じた場合は、圧迫療法(リンパドレナージや着圧ストッキング)を中心とした治療を行いますが、根気強く浮腫に対応していく必要が生じます。

治療後のリンパ浮腫を減らす究極の方策として、リンパ節郭清を省略することが考えられます。当科では、リンパ節転移の可能性が少ない方にはリンパ節郭清を省略しております。具体的には、

  • 卵巣がん
  • 子宮体がん(手術前のMRIで1A期と推定され、病理診断が類内膜腺がんグレード1か2の方)

の方のうち、手術前の画像検査でリンパ節転移が疑われない場合にリンパ節郭清を省略しております。

リンパ節転移のある方は手術後の再発の可能性が高く、追加抗がん剤治療の対象となります。このため、リンパ節郭清を省略してもリンパ節転移の有無の判断は大切です。リンパ節郭清省略の場合にはリンパ節生検を行い、転移の可能性が考えられる場合には積極的に手術中に迅速病理診断を行っております。リンパ節生検の場合でもごく一部の方には下肢リンパ浮腫が生じることがあります。

手術中にリンパ節転移の診断となった場合はそのままリンパ節郭清をしっかりと行い治癒を目指します。手術中にリンパ節転移の有無が判断できることは、リンパ節郭清のための再手術を減らすことにつながります。このような対応は、病理診断科、麻酔・集中治療科との連携、協力のもとに行われており当科の特徴です。