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ストーマ(人工肛門・人工膀胱)を設けた人のセルフケア

ストーマとは

ストーマの原意はギリシャ語で「口」。医学的には、手術で身体に造った腸管や尿管の開口部=人工肛門・人工膀胱などを指します。これを設けた人をオストメイトと呼びます。
大腸がん治療では、術前または術後に抗がん薬や分子標的薬による化学療法を施すことが多くなっています。
オストメイトと家族には、化学療法で起きる皮膚障害、下痢や末梢神経障害などさまざまな副作用の対策と共に、排泄物に含まれる薬剤成分による「曝露」に十分留意することが求められます。
ストーマ周囲の皮膚は常に刺激に曝されているのでトラブルを起こしやすいのです。
化学療法中は特に、皮膚が弱くなるため要注意です。

 治療を成功させるために

例えば、「5-FU」「ゼローダ」など殺細胞性の抗がん薬は皮膚の新陳代謝をする基底細胞にダメージを与えます。順調に新陳代謝しなくなれば皮膚はとてももろくなり、皮脂腺もダメージを受けて皮膚表面が乾燥し過ぎてしまいます。5-FU、ゼローダは下痢も起こしやすいとされています。下痢になると便が漏れやすくなり、そこから皮膚障害が起きます。
大腸がん治療に使われる、がん細胞の特定分子(上皮成長因子受容体)を狙い撃ちにする「パニツムマブ」などの分子標的薬は皮膚障害を引き起こします。
ストーマ周囲の皮膚を良い状態に保つことは、抗がん薬治療を成功させるために大事なのです。スキンケアの留意点を以下に列挙します。

1.日常のケア

  • 排泄物が漏れない装具を選ぶ
  • 面板を剥がす際はアルコールの入っていない剥離剤を使うと皮膚への刺激を緩和できる
  • ストーマ周囲の洗浄剤は弱酸性、低刺激性のもので、できれば保湿剤入りのものを選ぶ
  • クリーム状の洗浄剤は清潔な手で優しくマッサージしながら汚れを落とし、濡れた不織布で拭き取る
  • 石けんは泡立てて手で優しく洗い、柔らかいタオルなどで軽く押さえるように水分を取る
  • 面板を貼る範囲に保湿剤を使う場合は少量だけにして十分に乾燥させ、装具の剥離を防ぐ

2.皮膚障害が起きた時のケア

  • 自己判断で対処せず、必ず医師に相談
  • ステロイド軟膏は必要部位にだけ塗る
  • 広範囲に軟膏を塗る必要がある場合は、排泄物が皮膚に付かないよう留意しながら、塗布後15~20分放置→乾いた紙で油分を拭き取る→濡れた
  • 不織布で軽く拭き取る→乾いた不織布で水分を拭ってから装具を貼る

 曝露対策について

抗がん薬を投与されている人の排泄物処理には注意が必要です。抗がん薬は投与後約48時間以内に尿、便として排泄されます。
抗がん薬は正常細胞にもダメージを与えるので、抗がん薬の混じった排泄物に本人以外が直接、触れることが無いように注意が必要です。
それ以外の日常生活を共にすることには、過度の心配は不要です。
ストーマからの排泄物はできるだけ患者さん自身が処理するようにしましょう。
見えにくい飛散を防ぐため、男性は排尿時にも便座に座るようにします。

 中央病院ストーマ外来について

中央病院のストーマ外来は1987年に開設されました。
ストーマ外来のある医療機関は増えてきていますが、まだ不十分です。
その看板は無くともストーマケアを専門的に学んだ皮膚・排泄ケア認定看護師がいるかもしれないので、ぜひ問い合わせてください。