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診療について

麻酔・集中治療科について

国立がん研究センター中央病院麻酔・集中治療科は日本麻酔科学会の協力のもとに常勤医18名の体制で、手術室17室(MRI手術室、放射線治療手術室を含む)および集中治療室(8床)の管理・運営を行っています。

麻酔は手術患者さんを眠らせて痛みをとることだけではなく、手術中の呼吸・循環・代謝や体液管理、さまざまな有害反射に対する管理などを行っています。
また術中だけでなく術後疼痛を含めて、痛みのない質の良い覚醒を目指して管理しています。

さらに侵襲の大きな手術や、重篤な合併症を抱える手術患者さんの管理を、周術期を通してトータルに管理できるように集中治療室の管理運営を麻酔・集中治療科によるクローズド管理で行っています。

診療について

麻酔

麻酔科医は、手術中の患者さんの生命の安全を守るべく働いています。手術中には、全身麻酔、手術に伴って、患者さんの身体には様々な状態変化(出血、血圧の変化、呼吸停止に伴う人工呼吸器管理、その他予期せぬ手術中のトラブルなど)が起こりますので、手術が始まってから終わるまで、麻酔科医は患者さんの頭もとにずっと付いて、鎮痛薬、鎮静薬の調整や、輸血の必要性の判断、全身の循環を適切に保つ為の薬剤調整、人工呼吸器による呼吸管理などを行っています。

手術中のトラブルを減らすために重要なことは、手術の前に患者さんの身体の全身状態を整えておくことです。患者さんは、様々な持病をお持ちの状態で当院を受診されることが多く、高血圧や糖尿病、アルコール摂取による肝障害、喫煙に伴う肺気腫など、多岐にわたります。これらの持病は、手術の前にしっかりと調整をし、万全の状態で手術に臨んで頂くことが重要です。

その一環として、当院麻酔科では、より安全に患者さんに手術を受けてもらうために、手術が決まった時点から完全禁煙をしていただくようお願いをしています。

喫煙習慣のある患者さんでは、全身麻酔や手術に伴う合併症や死亡の危険性が高くなることが知られています。たばこの煙を吸い込むことによって、気道(空気の通り道)や肺を傷害し、手術後に喀痰が増加したり(窒息、誤嚥性肺炎のリスク)、喉や気道が腫れて空気の通り道が狭くなり、手術後に呼吸困難となったり、喘息や肺炎が起こりやすくなります。その他にも、喫煙によって、手術後の傷口が細菌感染しやすくなったり、傷口が治りにくくなったり、心臓や血管の合併症(心筋梗塞、脳梗塞、脳出血など)が起こりやすくなります。

ただし、手術前の禁煙により、上記のような危険性が減ることがわかっており、手術前の禁煙期間は長ければ長いほど良いですが、様々な研究結果から、少なくとも4週間以上前からの禁煙が推奨されています。そのため喫煙習慣のある患者さんには、麻酔科医や主治医、周術期外来の看護師から、手術前の完全禁煙を指導しています。電子タバコの場合も同様です。『手術が決まったらすぐに禁煙!』を徹底していただくことで、私たち麻酔科医は、安全に手術中の麻酔管理ができるようになり、患者さんも安全に手術を受けていただけるようになります。手術前の禁煙についてご質問がありましたら、麻酔科医までご相談ください。 また、手術後に禁煙を続けることも重要です。健康を保ち、生命予後も改善します。

喫煙によって生じた煙に含まれる有害物質を吸い込むことを受動喫煙といいます。周囲に喫煙者がいて、その人のたばこの煙を日常的に吸い込んでいる場合は、喫煙者と同等のリスクがあるため、周囲の理解と協力も必要です。



中央病院の手術麻酔内訳

2023年度の手術麻酔方法内訳

集中治療

当院は8床の集中治療ベッドを有しています。ICU入室患者数は年間約1100例です。担当科と毎朝カンファレンスを行ったうえで麻酔・集中治療科によるクローズド管理を行っています。外科系患者が中心ですが、敗血症や呼吸不全、急性腎機能障害など内科系の重症疾患も含めた院内すべての重症患者さんに対応しています。診療科別の内訳は食道外科、脳脊髄腫瘍科、肝胆膵外科や再建術を伴う頭頸部外科や骨軟部腫瘍科などの侵襲の大きな外科系診療科が中心です。内科系としては造血幹細胞移植科や化学療法に伴う重篤な合併症などです。がん治療の経過中には化学療法などに伴う免疫不全状態から感染症や臓器障害が重篤化し、集中治療が必要となることがありますが、すべてのがん患者さんが安心して治療が受けられるようにサポートしています。

チーム医療

集中治療室看護師、理学療法士、臨床工学技士らとともにRST(Respiratory support team)として、一般病棟での人工呼吸管理患者のケアや早期離脱、リハビリテーションをチームとしてサポートする活動を麻酔・集中治療科として行っています。
また、手術患者さんは年々高齢化する傾向にあり、併存疾患のある患者さんも増加しています。より安全な周術期管理をめざし、また患者さんにも安心して周術期を過ごせるように、多職種が協力して管理するチームを立ち上げて、看護師、薬剤師、歯科医、理学療法士、管理栄養士とともに活動しています。

周術期にお知り関してお知りになりたい方は、多職種のチームで支える「周術期管理」をご覧ください。