コンテンツにジャンプ
国立がん研究センター 中央病院

トップページ > 診療科のご案内 > 大腸外科 > 大腸がん検査について

大腸がん検査について

大腸がんは進行すると症状を来すことがありますが、基本的には自覚症状がないことが多いです。無症状の段階で大腸がんを早期に発見するため、大腸がん検診を始めとしたさまざまな検査があります。

医学的根拠に基づく大腸がん検診

170-1.jpg

本邦では1992年より「便潜血検査免疫法( 2 日法)」によるがん検診が対策型検診として開始されています。

便潜血検査は自覚症状のない消化管出血を見つけるものであり、がんやポリープからの微小な出血を検出する検査です。便潜血検査による大腸がん検診により大腸がんの死亡が減少することが世界各国の複数のランダム化比較試験で示されています。

便潜血検査は身体への負担が少なく、来院せずに受けれる検査ですので、対象となった方は毎年欠かさず受けていただくことをお勧めします。

大腸がん検診の方法

便を検査用スティックで採取します。1回だけの検査では病気を見逃す可能性があるため、便は2日に分けて2回採取します。

対象年齢

男性、女性とも40歳以上が対象となります。

検診間隔

毎年の検診が勧められています。

便潜血が陽性となった場合

便潜血検査が陽性となった場合でも、まだ「大腸がんの可能性がある」という段階で大腸がんの診断が確定したわけではありません、診断のため精密検査を受けていただく必要があります。精密検査には全大腸内視鏡検査、大腸CT検査があります。

大腸がんの精密検査

全大腸内視鏡検査

170-2.jpg

内視鏡を肛門から挿入して、直腸から盲腸までの大腸全体を詳しく観察し、病変があればその一部または病変全体を採取して病理検査(顕微鏡で組織を詳しく調べる検査)をします。病変部の表面を最大100倍まで拡大してみることができる拡大内視鏡を使う施設も増えています。

がんが大腸粘膜の表面(粘膜内か粘膜下層の浅い部分)に留まっていれば内視鏡で完全に切除することが可能です。

大腸内視鏡検査では診断から小病変の治療まで幅広く行えるため、大腸がんを疑う場合は第一選択となる検査です。出来るだけ身体への負担を減らして検査したい方は大腸CT検査も選択肢となります。

大腸CT検査(CTC検査)

170-3.png

下剤を服用して前処置をした後、肛門からCTC専用の炭酸ガスをゆっくり注入し、大腸を膨らませた状態でCT(X線による全身の断層画像)を撮影します。炭酸ガスは腸管から速やかに吸収されますので腹満感もすぐに改善します。通常のCTと比較し全身の評価だけでなく、大腸の内側の病変まで精密に調べることができます。

身体への負担は少ないため、大腸がんスクリーニング検査として大腸内視鏡検査に抵抗のある方にも受けていただけますが、大腸に腫瘍が見つかった場合は病理検査で確定診断をつける必要があるため後日内視鏡検査を受けていただきます。

本邦における大腸CT検査の臨床応用は国立がん研究センター中央病院で開始されており、当院では豊富な検査データを元に高精度の診断を行っています。当院では大腸がん術前評価として大腸CT検査を積極的に行っており、この検査により腫瘍局在、血管走行、腫瘍の周辺状況、全身の転移の有無を詳細に評価することができます。

 170-4.jpg

検査の流れ

具体的な検査の流れは病院ごとに異なりますので、検査を受ける際は病院の指示に従ってください。

大腸内視鏡検査

検査前日

食事は夕食まで摂っていただいていただいて大丈夫ですが、繊維質の多い食事は避けるようにしましょう。大腸内視鏡検査用の検査食も販売されていますのでそちらもお勧めです(国立がん研究センター中央病院では病院の売店で販売しています)。前日の20時以降は固形物の摂取は避けていただきますが、水分(水、お茶、コーヒー(ミルクなし)、炭酸飲料など)は飲んでいただいて構いません。

下剤が処方された方は検査前日の眠前に内服していただきます。

検査当日

検査当日の午前中に、内視鏡前処置室で腸管洗浄液および水分を約1.5L~2L飲んでいただき腸管の洗浄を行った後、午後から検査を行います。担当医の判断で当日の前処置を自宅で行っていただく場合もありますので、外来での指示に従ってください。

検査室では横向きに寝てもらい、内視鏡を肛門から大腸の一番奥の盲腸まで挿入し大腸全体を観察してきます。通常検査自体は20分程度で終わり、ほとんどの場合大きな苦痛はありませんが、軽い鎮静剤、鎮痛剤を使用しながらの検査も可能です。

検査でポリープなどの病変を認めた場合、内視鏡治療が可能な状態であればその場で内視鏡を用いて切除することも可能です。ただし大きな腺腫性ポリープ(良性腫瘍)や早期がんの場合には入院していただき、日を改めて内視鏡治療を行う場合もあります。内視鏡治療の適応外と思われる早期がん、進行がんが見つかった場合は組織を採取して病理検査を行います。

大腸CT検査(CTC検査)

国立がん研究センター中央病院では大腸がんのスクリーニングだけでなく、大腸がん手術前の精査として大腸CT検査を積極的に行っています。内視鏡検査後に大腸CT検査を受けていただくことで追加の前処置の必要なく、同日に検査を受けていただくことができます。

検査ではCT撮影装置に寝ていただき、細いチューブを肛門から挿入して炭酸ガスを大腸に注入します。その状態でCTを撮影することで大腸と全身の評価を合わせて行います。

造影剤を撮影前に静脈注射することでより診断精度が上がるため、腎臓の機能に問題なく、造影剤に対するアレルギーがない方には造影剤を用いた撮影を行います。造影剤はCT撮影前にあらかじめ確保した点滴(静脈路)から注入を行います。検査所要時間は15分から20分程度です。
icon_9.jpg