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診療について

切除術式の大半を占める肺葉切除は、5から6センチメートルの小開胸+胸腔鏡併用下に肋骨・筋肉を切らずに行う胸腔鏡補助下手術(hybrid VATS)と呼ばれる方法で行っています。これは安全性、根治性、低侵襲性を兼ね備えた理想的な肺がん手術方法であると考えています。実際に、術後4日(中央値)という短い術後在院期間と最低レベルの術後合併症率を実現しています。

診療において当科が特に得意とする分野が2つあります。ひとつは、小型肺がんに対する区域切除です。肺がんの標準的な術式は肺葉切除ですが、近年増加している小型肺がんに対しては肺葉切除よりも切除範囲を小さくした区域切除が行われるようになっています。当科は2009年以降、区域切除の有効性を検証する全国規模の臨床試験への参加を通じて、全国最多の区域切除の経験を蓄積しました。区域切除は肺葉切除と比較してより精密な手術手技が要求されますが、現在では肺葉切除よりも短い手術時間で、根治性と肺機能温存を両立した区域切除を行えるようになりました。また、区域切除においては手術中に腫瘍の悪性度や病変の広がり評価するための術中迅速病理診断が重要です(手術前の想定よりも悪性度が高かった場合や、病変が広がっていた場合には、区域切除から肺葉切除に術式を変更する必要があるためです)。当院は高度な知識を持った肺がんの病理診断医が多く揃っていることも特長の一つです。もうひとつの得意分野は、局所進行肺がん(隣の臓器への浸潤や、縦隔リンパ節転移を有する肺がん)に対する集学的治療(手術に化学療法や放射線を組み合わせた治療)です。当院は呼吸器内科、放射線治療科も多くの専門医数と診療実績を有しており、手術単独では根治を望めない局所進行肺癌に対しては積極的に化学療法、放射線療法を併用した集学的治療を行い、良好な治療成績を得ています。

当科では、診療の質だけでなく患者さんに対するサービスの質を高めることにも努めています。外来診療においては、4名のスタッフ医師がそれぞれ週2から3日ずつ外来を担当し、患者さんのご都合に診察日が合わせやすいよう工夫しています。また、手術後の患者さんからの問い合わせ電話は、交換台から主治医に直接つなぐようにしており、手術を受けられた患者さんからも「主治医と直接話すことができて安心感がある」と好評を得ています。

呼吸器外科 診療実績(疾患別症例数)

  2020年 2021年 2022年 2023年
原発性肺がん 685 634 643 650
転移性肺腫瘍 102 20 12 11
縦隔腫瘍 58 45 49 45
その他 61 46 34 40
906 745 738 746

注:診療実績について、2020年・2021年・2022年は4月から翌年3月までの1年間で集計しています。2023年は1月から12月までの1年間で集計しています。

肺がんに対する手術術式別症例数

手術の種類 2020年 2021年 2022年 2023年
肺葉切除 329 317 270 268
肺全摘 4 5 3 2
区域切除 220 213 274 259
広範囲楔状切除 127 95 95 120
その他 5 4 1 1
合計 685 634 643 650

注:診療実績について、2020年・2021年・2022年は4月から翌年3月までの1年間で集計しています。2023年は1月から12月までの1年間で集計しています。

呼吸器外科 治療成績(病理病期別)

2007年から2011年院内がん登録に登録されたデータを解析
病期はTNM分類第6版に基づく
全症例3523例中、手術が実施された1956例を対象

外科的治療の有無 症例数 %
1 1956 55.5
2 1567 44.5

臨床病期ごとの症例数

臨床病期 症例数 %
IA 1274 65.1
IB 402 20.6
IIA 39 2
IIB 123 6.3
IIIA 29 1.5
IIIB 39 2
IV 11 0.6
該当なし 39 2

病理病期ごとの症例数

病理病期 症例数 %
0 4 0.2
IA 1064 54.4
IB 349 17.8
IIA 74 3.8
IIB 148 7.6
IIIA 165 8.4
IIIB 103 5.3
IV 13 0.7
該当なし 36 1.8