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研修プログラムについて
最高峰の施設で、最先端のサイコオンコロジーを多角的に学ぶ
臨床・研究・教育において日本最高峰のがん医療教育施設で、研修を行いませんか?
希望者は、中央病院緩和医療科、東病院緩和ケア病棟等での研修も行い、精神腫瘍医資格だけでなく、将来緩和医療認定医や専門医のダブルボード取得を目指すことも可能です。
連携大学院制度等を利用して学位取得を目指すことも可能です。
目次
診療科としての人材育成のポイント
当院精神腫瘍科は、1992年に我が国において初めてがん専門病院に設置された精神部門としてスタートしました。症例数が非常に多く、臨床経験豊富なスタッフが指導するため、症例数、内容ともに充実した研修を短期間で経験することが可能です。特にAYA、小児、移植患者へは全例介入をしており、希少ではあるもののニーズの高い領域の 経験もしっかりと積むことができます。リラクセーション教室や行動活性化外来、禁煙外来などの特殊外来も当科の特徴であり、これらは心理療法士と協働で行いますので、専門的な心理学的支援方法のスキルを獲得することができます。さらに、臨床研究も積極的に実践しており、学位取得を目指した研修が可能です。当科スタッフは精神科医と心療内科医で構成されているため、より多角的な視点で臨床・研究できる他にはない環境です。
がん対策推進計画にあるとおり、早期からの心のケアを含めた緩和ケアが必要とされる中で精神腫瘍科への要請は大きいですが、充足しているというには程遠い現状があ ります。今後の本分野の発展のためにはAll Japan体制の構築が必須であり、それをリードする国立がん研究センター精神腫瘍科を目指しています。我々は今後この領域を一緒に担ってくれる仲間を強く求めています。精神科医、心療内科医、どちらも大歓迎ですので、まずはお気軽にお問合せください。個別見学も随時行っています。
研修の特色
日本でここにしかない研修内容
・精神科医と心療内科医のコラボレーションによる多角的視点からの指導
・AYA、小児、移植患者への全例介入
・家族ケア外来、行動活性化外来、禁煙外来などの特殊外来の充実
・リラクセーション教室、AYAひろば、膵がん教室、食道がん教室など
圧倒的な症例数
年間1369件(入院+外来)の多種多様な症例を経験できる(以下実績は2020年度)
症例数 | % | |
せん妄 | 361 | 26.4 |
適応障害 | 204 | 14.9 |
うつ病 | 64 | 4.7 |
認知症 | 34 | 2.5 |
診断なし | 385 | 28.1 |
その他 (パニック症などの不安症群、神経発達症群など) |
321 | 23.4 |
緩和医療科の研修も可能
中央病院緩和医療科は勿論、近隣施設(国立がん研究センター東病院、 がん研有明病院、聖路加国際病院など)での緩和医療の研修も可能
臨床研究の充実
がん専門修練医や希望するレジデントは研究プロトコルの計画立案 を行い、主体的に研究を実践し、論文を執筆、学位取得可能
様々な資格取得を目指せる
当科の研修で下記の資格要件を達成可能です。- 日本精神神経学会専門医
- 日本総合病院精神医学会 一般連携精神医学専門医
- 日本心療内科学会/日本心身医学会 合同心療内科専門医
- 日本心身医学会心身医療専門医
- 日本サイコオンコロジー学会 登録精神腫瘍医
- 日本緩和医療学会緩和医療認定医
中央病院の多彩なサポートプログラム
- 患者サポートセンター(写真左)での多職種連携による多様 な患者家族サポートプログラムの実践
- AYAひろば(写真中央)やリラクセーション教室などを運営
- 行動活性化外来(写真右)などで構造化された精神療法を経験
精神腫瘍学をリードする指導医の直接指導
- 精神腫瘍科スタッフ(松岡弘道、中原理佳、平山貴敏、貞廣良一)による直接指導
- 多施設合同Web症例検討会(全国がん専門病院と)、数多くの緩和ケアセミナー
- 緩和ケアチームの一員として、緩和医療の専門家の指導も受けられる
松岡弘道
中原理佳
平山貴敏
貞廣良一
緩和ケアチーム
緩和医療科との連携
臨床研究への参画
様々な臨床研究への参画から、幅広い知識を吸収できます。
以下現在実施している臨床研究の一例です。
- せん妄ハイリスクがん患者の術後せん妄予防におけるラメルテオンの有効性と安全性に関する多施設共同二重盲検 プラセボ対照RCT
- 進行がん患者への新たな心理的支援法開発に向けた行動活性化療法のRCT
- AYA世代がん患者に対する精神心理的支援プログラムおよび高校教育の提供方法の開発と実用化に関する研究
- AYA世代がん患者のサポーティブケアに関する臨床的特性および効果等に関する研究
- 思春期・若年成人がん患者 を対象とした「NCCN® Distress Thermometer and Problem List」日本語版 スクリーニングシートの妥当性に関する半構造化面接調査
- うつ病のがん患者に対する行動活性化療法の有用性に関する研究
- 外科的がん切除後のせん妄の発症及び続発的認知機能低下を予測するバイオマーカーの開発
- がん患者家族に対する精神腫瘍学的介入に関する評価についての後方視的研究
- 同種造血幹細胞移植サバイバーにおける精神的苦痛の実 態と、その心理社会的規定因子に関する検討
- オピオイド不応の神経障害性疼痛に対するプレガバリンとデュロキセチンの国際共同RCT(緩和医療科 、豪州 PaCCSCとの共同研究)
研修後の進路
- 国立がん研究センター中央病院精神腫瘍科
- 国立がん研究センター東病院緩和医療科
- 国立がん研究センター研究所
- 国立精神・神経医療研究センター精神科
- 豊島病院精神科
- 厚生中央病院精神科
- 日本医科大学多摩永山病院精神神経科
- JA長野厚生連 佐久医療センター精神科
- 伊那中央病院腫瘍内科
コース紹介
がん専門修練医コース
対象者
- 新専門医制度対象者は基本領域専門医取得済み(旧専門医制度対象者はその基本領域の専門医もしくは認定医等を取得済み、もしくは取得見込み)、かつ、
サブスペシャルティ領域専門医取得済み、もしくは取得見込みで、当院での研修により当該領域に特化した修練を目指す者 - 当センターレジデント修了者あるいは同等の経験と学識を有する者
注:基本領域専門医:日本精神神経学会専門医/サブスペシャルティ専門医:合同心療内科専門医、心身医療専門医、精神腫瘍登録医、日本総合病院精神医学会 一般連携精神医学専門医など
研修目的
我が国の精神腫瘍学分野を牽引する人材育成を目的としています。レジデントコースで習得すべき精神腫瘍学に関する基本的な臨床技能に加 え、臨床研究や全国的なプロジェクトにも参画し、より幅広い視点で現状の問題解決にあたることのできるエキスパートを養成します。
研修内容
臨床面では、レジデントコースで研修する内容の中でも特に複雑な精神的問題への対応(医療者への対応、関わり方が難しい患者への対応、集
団力動に配慮した対応など)についての能力を養成します。研究面では、精神腫瘍学に関する臨床研究に参画することができ、新たな臨床研究
の立ち上げや各種競争的資金の獲得の指導も行います。臨床・研修ともに、指導医が基礎から丁寧にサポートします。
研修期間
2年間
研修の特色
- 日本有数の緩和ケアチーム介入実績を有するHigh Volume Centerでの圧倒的な症例数の経験
- AYA、小児、移植患者への全例介入
- リラクセーション教室や行動活性化外来、禁煙外来などの特殊外来の充実
- 研修環境を最大限活かすための指導医(精神科医と心療内科医のコラボレーションによるカンファレンスが充実)
- 緩和医療科など関連領域での研修
- J-SUPPORT、JORTCなどサイコオンコロジー領域の臨床試験の経験
- 研究プロトコルの計画立案を行い、主体的に研究を実践し、国際学会発表、論文執筆の経験
その他
精神腫瘍科だけで、1300件/年を超える診療実績(外来診療を含む)があり、多種多様な症例を経験可能です(うつ病、適応障害、せん妄など)。
がん患者の精神心理的な介入法に関する全国のがん診療連携拠点病院を中心とした多施設の症例検討会に参加できます。
専攻医コース(連携施設型)
対象者
- 日本精神神経学会専門医取得のための研修を目的としたコース 以下の全ての条件を満たした医師を対象とします
- 専門医制度において中央病院が連携施設として登録されている専門研修プログラムで研修中の専攻医
- 採用時に医師免許取得後3年目以降
研修目的
短期間の研修で、精神腫瘍学に関する診療経験を積むことを目標とします。
研修内容
精神腫瘍科に3か月、6か月、9か月、1年間在籍します。
研修期間
2年間
研修の特色
研修者のニーズにあわせた柔軟な研修期間設定が可能です。連携大学院コース
対象者
- 新専門医制度対象者は基本領域専門医取得済(旧専門医制度対象者はその基本領域の専門医もしくは認定医等を取得済、もしくは取得見込み)で、当院での研修により、サブスペシャルティ専門医を目指す者
注:基本領域専門医:日本精神神経学会専門医/サブスペシャルティ専門医:合同心療内科専門医、心身医療専門医、精神腫瘍登録医、日本総合病 - 院精神医学会 一般連携精神医学専門医など
- 研究・TR等に基づき、連携大学院制度を利用して学位取得を目指す者
研修目的
精神腫瘍学を中心とした研修を行い、専門医と学位取得を目指した研究に取り組むことを目的とします。
研修内容
1年目:精神腫瘍科に6か月以上在籍し、診療、臨床研究、TR等を開始する。残りの期間は精神腫瘍科での継続研修、CCM勤務、希望者は他科研修を行う。連携大学院に入学する。
2年目:専門医取得のための研修(希望者は緩和医療科の研修や院外研修)と、連携大学院を継続する。
3年目:専門医取得のための研修と、連携大学院を継続する。
4年目:専門医取得のための研修を終了し、学位論文を完成する。
研修期間
4年(レジデント2年+がん専門修練医2年)
注:がん専門修練医への採用には再度試験を行う。
注:そのうち一定期間の交流研修を認める
注:病院の規定に基づきCCM研修を行う
研修の特色
- J-SUPPORT、JORTCなどサイコオンコロジー領域の臨床試験の経験
- 研究プロトコルの計画立案を行い、主体的に研究を実践し、国際学会発表、論文執筆の経験
- 日本有数の緩和ケアチーム介入実績を有するHigh Volume Centerでの圧倒的な症例数の経験
- AYA、小児、移植患者への全例介入
- リラクセーション教室や行動活性化外来、禁煙外来などの特殊外来の充実
- 研修環境を最大限活かすための指導医(精神科医と心療内科医のコラボレーションによるカンファレンスが充実)
- 緩和医療科など関連領域での研修
研修期間
精神腫瘍科だけで、1,300件/年を超える診療実績(外来診療を含む)があり、多種多様な症例を経験可能です(うつ病、適応障害、せん妄など)。
がん患者の精神心理的な介入法に関する全国のがん診療連携拠点病院を中心とした多施設の症例検討会に参加できます。
レジデント短期コース
対象者
がん専門修練医あるいはレジデントコースより短い期間で、集中的に精神腫瘍学に特化した研修を経験したい者。研修目的
希望される研修期間で、精神腫瘍学に関するコアな診療技術に関する経験を積むことを目的とします。
研修内容
主に身体科からコンサルテーションを受けた入院患者を中心に診療を行います。がん患者およびそのご家族のみならず医療者の精神心理ケアを含め、多面的な視点で様々な問題に対応できる能力を養成します。また、希望に応じて精神腫瘍学に関する臨床研究や学会発表などを行うことができます。
研修期間
6カ月から1年6カ月(他科ローテーションも相談可)。
注:6カ月を超える場合は病院の規定に基づきCCM(選択制)、1年を超える場合は緩和医療研修を行う。
研修の特色
がん専門修練医コースに同じその他
精神腫瘍科だけで、1,300件/年を超える診療実績(外来診療を含む)があり、多種多様な症例を経験可能です(うつ病、適応障害、せん妄など)。
がん患者の精神心理的な介入法に関する全国のがん診療連携拠点病院を中心とした多施設の症例検討会に参加できます。
レジデント2年コース、レジデント3年コース
対象者
新専門医制度対象者は基本領域専門医取得済み、もしくは取得見込み(旧専門医制度対象者はその基本領域の専門医もしくは認定医等を取得 済み、もしくは取得見込み)で、当院での研修によりサブスペシャルティ専門医を目指す者
注:基本領域専門医:日本精神神経学会専門医/サブスペシャルティ専門医:合同心療内科専門医、心身医療専門医、精神腫瘍登録医、日本総合病 院精神医学会 一般連携精神医学専門医など
研修目的
関連科のローテーション研修を含め精神腫瘍学の専門家として必要な知識を習得します。研修期間中に、がん患者およびそのご家族のあら ゆる精神的問題に対応できることを目的とします。
研修内容
精神腫瘍科ローテーション期間中は、主に身体科からコンサルテーションを受けた入院患者を中心に診療を行う。がん患者およびそのご家族 のみならず、コンサルテーションを行った医療者の精神心理的ケアを含め、幅広い視点から精神的問題に対応できる能力を養成します。指導医 ががん患者やそのご家族とのコミュニケーションから複雑な精神的問題への対応法に至るまで、個別に丁寧に指導を行います。
6カ月から1年6カ月(他科ローテーションも相談可)。
注:6カ月を超える場合は病院の規定に基づきCCM(選択制)、1年を超える場合は緩和医療研修を行う。
研修の特色
がん専門修練医コースに同じ
研修期間
2から3年間 注:病院の規定に基づきCCM・緩和医療研修を行う
その他
精神腫瘍科だけで、1,300件/年を超える診療実績(外来診療を含む)があり、多種多様な症例を経験可能です(うつ病、適応障害、せん妄など)。
がん患者の精神心理的な介入法に関する全国のがん診療連携拠点病院を中心とした多施設の症例検討会に参加できます。
お問い合わせ
研修担当 精神腫瘍科 科長 松岡弘道 hiromima●ncc.go.jp