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国立がん研究センター 中央病院

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診療について

数多い皮膚がんの中でも代表的なものについて診療内容と実績を示します。

悪性黒色腫

皮膚がんの中でも悪性黒色腫(メラノーマ、または「ほくろのがん」などとも呼ばれます)は最も代表的なもので、非常に悪性度の高い腫瘍として恐れられています。国立がん研究センターの皮膚科は創立以来、悪性黒色腫診療の中心的施設として、日本人の悪性黒色腫の治療成績向上に大きな役割を果たしてきました。2011年の初診患者数は国内のどの施設よりも圧倒的に多く132名でした。悪性黒色腫は皮膚のメラニン細胞や母斑細胞(ほくろ細胞)から発生し、早い時期から転移する力を持っていますので、完全に治すには早期に発見し、初回治療として十分な手術を行うことが最も重要です。またリンパ節転移の有無を小さな傷でみつけるセンチネルリンパ節(見張りリンパ節)生検という方法は、一定の技術を持った施設だけに認められていますが、当科では300例以上の治療を行っています。悪性黒色腫の薬物治療も進歩しつつあります。当科では海外ですでに使うことができる良い薬剤を早く日本でも投与できるよう新薬の治験に力を入れています。

有棘細胞がんと基底細胞がん

悪性黒色腫と並ぶ代表的な皮膚がんです。両者とも顔をはじめ日焼けをする部位に発生しやすく、長年にわたって受ける紫外線の悪影響の結果としてご高齢の患者さんが増えています。治療は手術で十分に切除することですが、合併症のため手術にリスクが伴う場合は別の治療法を選んだり、また手術を行う場合も顔面の変形を最小限にとどめるための工夫などを行っています。

乳房外パジェット病

この腫瘍は前がん状態でみつかるとよいのですが、当科には病状の進行した患者さんが数多く受診されます。乳房外パジェット病は、国際的にみても、病気の時期を判断するための病期分類(ステージ)さえつくられておらず、専門病院以外では対応の難しい疾患です。当科ではリンパ節転移のある場合の手術成績、抗がん剤による化学療法の奏効率ともに良好な成績をあげています。

血管肉腫

血管肉腫は非常に発生数の少ない腫瘍ですが、その悪性度は悪性黒色腫をしのぐほどです。手術の他、抗がん剤や放射線治療も効果はありますが、1つの方法で治しきることが難しいことが多く、専門知識に基づいて適切な時期に必要な治療をうまく組み合わせて行う集学的治療が必要な腫瘍です。

新規患者数と手術件数

皮膚腫瘍科 診療実績(疾患別初診患者数)

 2013年2014年2015年2016年2017年
悪性黒色腫 191 206 181 168 162
有棘細胞癌 40 45 42 52 40
基底細胞癌 38 37 42 33 46
汗腺癌 7 16 16 11 15
毛器官癌 0 1 2 1 0
乳房外パジェット病 16 22 22 25 34
ボーエン病 14 11 8 13 9
隆起性皮膚線維肉腫 13 10 2 5 8
血管肉腫 10 11 5 5 15
悪性線維性組織球腫 1 0 2 3 0
類上皮肉腫 0 0 0 1 0
皮膚悪性リンパ腫 6 11 7 11 33
メルケル細胞癌 1 3 7 9 14
その他(転移性皮膚癌など) 14 8 19 15 19
351例 381例 355例 352例 395例

主な手術術式と合計手術件数(最近5年間)

 2013年2014年2015年2016年2017年
悪性腫瘍広汎切除術 150 148 156 156 173
悪性腫瘍切除術 74 41 47 42 51
センチネルリンパ節生検 42 44 45 43 58
所属リンパ節郭清術 25 36 35 32 31
(頚部) 6 6 5 9 7
(腋窩) 7 11 8 6 9
(鼠径) 4 8 7 11 9
(骨盤内) 8 9 15 6 6
植皮術 23 44 43 47 39
局所皮弁術 6 15 8 8 12
遊離皮弁術 1 1 2 1 2
離断・切断術 8 5 10 8 7
354件 368件 346件 369例 404例

疾患別治療成績

皮膚腫瘍科 治療成績(疾患別)

 病期2002年から2007年症例数5年生存率(%)
悪性黒色腫 ステージIA 25 100
ステージIB 41 100
ステージIIA 21 85
ステージIIB 11 65
ステージIIC 11 76
ステージIIIA 26 61
ステージIIIB 29 49
ステージIIIC 25 60
有棘細胞癌 ステージI 39 100
ステージII 30 96
ステージIII 21 53

当科を受診される皆様にお伝えしたいこと

数多くの方ががんにかかり、がんに関する情報がいろいろと手に入る時代になってきましたが、私たちは、いつも自分たちの持っている専門知識を皮膚がんの患者さん、お一人お一人にできるだけ丁寧にわかりやすくお話をして、ご自身の病気や、これから受けていただく検査、治療についてよく知っていただこうと思っています。がんはこわいと思われるのは当然であると思いますし、病院に来られれば緊張なさることも多いと思いますが、どうぞ遠慮なく私たちに声をかけてください。少しでも安心して治療を受けることのできるようにお手伝いをしたいと思っています。