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新規手術支援ロボットの導入について

国立がん研究センター中央病院 大腸外科では、患者さんの病状や体格に合わせたきめ細やかな治療を提供するため、手術支援ロボットの体制を強化いたしました。 これまで運用していた「ダビンチXi」に加え、最新機種である「ダビンチ5(ファイブ)」、「ダビンチSP(エスピー)」、そして国産ロボット「hinotori(ヒノトリ)」を新たに導入しています。


現在は、既存の「ダビンチXi」2台に加え、これら新規ロボット3機種(各1台)を含めた計5台体制で、大腸がんの手術を行っています。複数の機種を整備することで、それぞれのアームの形状や機能特性を考慮し、個々の手術に適したデバイスを選択できる環境を整えました。

1. 第5世代機「ダビンチ 5 (Da Vinci 5)」

「ダビンチ5」は、インテュイティブサージカル社の最新モデルです。

組織への「力」を感じ取る、新しいテクノロジー

【主な特徴】

  • フォースフィードバック(力覚)機能の実装: 従来のロボットには搭載されていなかった「組織を引く力・押す力」を執刀医の手元に伝える機能が追加されました。鉗子(かんし)にかかる抵抗を感じ取ることができるため、腸管などの組織に対して過度な負荷をかけないよう、より慎重な操作を支援します。

  • 高い画像処理能力: 従来機に比べコンピューターの処理能力が向上しており、より鮮明な3D画像下での手術操作が可能です。
手術の様子








da Vinci 5での手術の様子

2. 単孔式手術ロボット「ダビンチ SP (da Vinci SP)」

「SP」は "Single Port"(単一孔)を意味し、その名の通り1つの切開創からカメラと3本のアームを挿入できる構造を持っています。

ひとつの切開創から、広い手術野へアプローチ

【主な特徴】

  • 創部の数: 通常の手術ロボット(マルチポート)では4~5箇所の切開が必要ですが、ダビンチSPは約3-4cmの切開創1か所からアームを挿入します(注:手術の状況により、助手が使用する別のポートを追加する場合があります)。

  • 広い手術野での操作性: 一つの切開創からカメラやアームを自在に展開できるため、腹腔内の広範囲なターゲットにアプローチすることが可能です。広範な操作を必要とする手術において、その特性を発揮します。

手術の様子2














da Vinci SPでの手術の様子

3. 国産手術支援ロボット「hinotori (ヒノトリ)」

「hinotori サージカルロボットシステム」は、日本の技術力を結集して開発された、初の国産手術支援ロボットです。

日本人の体格を考慮した、日本生まれのロボット

【主な特徴】

  • 日本人の体格を考慮した設計: 欧米人に比べて小柄な場合が多い日本人の体格を想定し、ロボットのアームが細くコンパクトに設計されています。アーム同士の干渉(ぶつかり)を抑え、限られたスペースでもスムーズな手術操作が可能です。

  • コックピットでの操作: 執刀医は3D画像を見ながら、人の手首のように動くアームを操作して手術を行います。

手術の様子3








hinotoriでの手術の様子

患者さんへ

病状に合わせた手術方法を提案します

手術支援ロボットのラインナップ拡充により、それぞれの機種の特性(アームの動き、視野、機能など)を活かした、より柔軟な手術計画が可能になりました。担当医は、患者さんの病気の進行度、腫瘍の位置、過去の手術歴や体格などを総合的に検討し、使用するロボットを含めた手術方針を提案いたします。

なお、すべての患者さんにロボット手術を行うわけではありません。 病状や過去の治療歴によっては、従来の「腹腔鏡手術」や「開腹手術」の方が、より安全かつ確実にがんを取り除けると判断される場合もあります。

当科では、これらの従来の術式も含めたあらゆる選択肢の中から、患者さんお一人おひとりにとって適切な方法を検討し、根治性(がんを治すこと)と機能温存(排泄機能などの維持)の両立を目指しています。

また、新規ロボットの治療成績については現時点で定まった見解はないため、臨床試験として手術の実施をご提案する場合があります。

注:手術についてご不明な点やご希望がございましたら、外来担当医にご相談ください


大腸がんの手術について | 国立がん研究センター 中央病院

ロボット支援下直腸がん手術 | 国立がん研究センター 中央病院