コンテンツにジャンプ
国立がん研究センター 中央病院

トップページ > 診療科のご案内 > 呼吸器外科 > 肺がんの診断・治療・手術

肺がんの診断・治療・手術


 
keiji2.jpg

新型コロナウイルス感染症と肺がん手術」も併せてご連ください。

 
肺がんの診断・治療・手術について動画(外部サイトにリンクします)・またはテキストで紹介します。

肺がんの診断・治療・手術:肺がんのステージ 画像

 

肺がんのステージ

肺がんの治療においてステージ(病期)は重要な要素です。

大まかに言って、I期(ステージ1)・II期(ステージ2)・III期(ステージ3)・IV期(ステージ4)の4つに区分されています。ステージが進むにつれて、より進行したがんであることを示しています。

肺がんのステージ(病期)は、国際的なTNM分類によって決定されます。

 

図1:肺がんのステージ(病期)

stage1.jpg 
 

 

ステージ(病期)はTNM、つまりTとNとMの3つの要素で決定されています。

  • TNM分類のTとは、腫瘍(Tumor)のことで、腫瘍そのものの状態をT0~T4の段階で表します
  • Nは、節(Node)のことで、リンパ節への腫瘍の広がりをN0~N3の段階で表します
  • Mは、転移(Metastasis)のことで、がんがもともと発生した臓器を出て、ほかの臓器に転移しているかどうかをM0~M1cの段階で表します

図2:TNM分類

stage2.jpg


このようにして決定されたTNMの組み合わせに応じて、肺がんの病期は細かく0~IV期までに分類されます。
IV期が最も進行した状態です。

この病期分類は、世界で共通の分類が用いられており、およそ7-8年度ごとに定期的に改定されています。

 

現在の病期分類(UICC 第8版)の詳細は国立がん研究センターがん情報サービスで紹介されています。 

https://ganjoho.jp/public/cancer/lung/treatment.html 

 

TNM分類は、肺がんだけでなく他のがん(例えば、大腸がんや胃がんなど)に対しても用いられており、がんの治療に際して重要な指標といえます。


TNM分類を用いたステージ(病期)の重要性は大きく二つあります。

図3:ステージ(病期)の役割


stage3.jpg

一つ目は、治療方針の決定です。


通常、IV期(ステージ4)と診断された肺がん患者さんの場合には、手術を行うことはありません。

IV期の状態では、他の臓器に肺がんが転移しているため治療の主体は薬物療法となります。

このように肺がんの治療法はステージ(病期)によって異なります。

大まかに言って手術の対象となるのは、I期(ステージ1)とII期(ステージ2)およびIII期(ステージ3)の一部です。

このため治療前にステージ(病期)をしっかりと見極めることが適切な治療を受けるために重要です。

図4:ステージ(病期)ごとの肺がん治療の概略

stage4.jpg

二つ目は、予後(治療成績)の見通しです。

 

予後というのは、がん治療を受けた後の治療成績のことです。

がんの治療(主に手術)においては5年生存率という指標が用いられることが多いです。

肺がん治療は日々進歩しており手術成績も向上していますが、より進んだステージ(病期)の患者さんの5年生存率は早期の患者さんと比較して低くなり、治りにくいことを表しています。

日本においては5年ごとに全国肺がん登録が行われており、国内における手術治療成績がまとめられています。

表1に臨床病期に基づく肺がん手術後の5年生存率を示します。

表1:2010年全国肺がん登録のデータ

臨床病期

症例数

5年生存率

O

1100

97%

IA1

2199

91.6%

IA2

3857

81.4%

IA3

2704

74.8%

IB

2309

71.5%

IIA

641

60.2%

IIB

1561

58.1%

IIIA

1176

50.6%

IIIB

326

40.5%

IIIC

17

37.5%

IVA/IVB

189

36%

 

臨床病期と病理病期

図5:臨床病期と病理病期の違い

stage5.jpg



ステージ(病期)には大きく、臨床病期と病理病期の二つがあります。

臨床病期とは、治療を始める前にCT検査やPET検査などによってわかるがんの広がりのことです。
治療方針の決定においては、臨床病期が用いられます。


一方、病理病期とは、手術を行った場合に摘出した肺やリンパ節を顕微鏡で診断する(病理診断といいます)ことで決定されるステージ(病期)のことです。

病理診断によって、手術前に指摘されていなかった、がんの広がり(例えば、リンパ節への転移)が判明することがあります。そのため、病理病期は手術を行った際には重要な指標となります。

また、術後補助化学療法(手術後に再発を予防する目的で行う抗がん剤治療)を実施するかどうかは、病理病期に基づいて決定されています。

 肺がんについてもっと学ぶ


中央病院呼吸器外科ホームページへ(肺がんの外科治療に関するコンテンツを多数用意しています)


肺がんの診断・治療・手術

  「すりガラス状陰影」を読む


  「区域切除について」を読む

  「集学的治療について」を読む

  「病院を選ぶ際のポイントについて」を読む